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2026.04.05 (Sun) Category : 

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2010.11.29 (Mon) Category : 幕間


大人は一人2000円、子供は一回2000円で二回まで。扶養家族内に限り。
うちの会社の助成上限。
折角のシステムがあるにもかかわらず、入社してから一度も使ったことがありません。
病は気からだって信じてる!(握り拳)


それにしてもネクロードの曲って、一回聞いたらしばらく耳から離れませんね。
確かに凄い好きなんだけど。
でもネクロード。くそう。(苦笑)
なんてやってるから、オフラインの方のネタがまとまらないんだろうか。
困ったな。



そんな(どんな)ネタで幕間でーす。
顔文字君からお進みくらさい!



拍手[6回]








 いつでも賑やかと言うか人が絶えない一室だったけれど、今日は賑やかを通り越して騒がしい。昼食を誘いに来たティルは、扉を開けた瞬間にキャーキャー響く声と、わんわん木霊する声に圧倒された。
「あれ? ティルさん、どうしたんですか?」
 ノブに手をかけたままの状態で室内を見つめていたティルに気付き、あ、テッドさんですか? と言いながらビッキーがひょいと腰をかがめて寄ってくる。
「ああ、時間が取れるようなら一緒に昼食をと思ったんだが」
 なんだか凄いことになってるようだね?
 苦笑して見渡す部屋に、同じくビッキーも振り返って、あははと簡単に笑った。きゃらきゃらと響く声もわぁわぁと木霊する声も、子供の声だ。
 医務室には今、本拠地内のすべての子供が集められていた。
「・・・何の集まりだ?」
「予防接種だよ。申請と報告はしてあるぞ」
 ティルさまだー、わぁぐんしゅさまー、と姿を認めて足元に近付いて来る子供たちに笑いかけ、誰にともなく呟いた一言に即答したのは、この部屋の実権を握る一人だった。
「テッド。・・・ああ、予防接種。そう言えば決裁印を押したっけ」
 寒くなるこれからの季節、一番の心配は風邪をはじめとするウィルス性の病気だ。いざ戦争だというときに、兵士がマスクなんてシャレにもならない。
 一般的な風邪ならまだしも、悪性の強いウィルスに感染し、しかもそれが拡大して全滅にでもなったら、別の意味で歴史に残る。
 限られた空間に大勢の人間が生活する本拠地では、事前の対策が必要と医務局が判断したのだ。
「何日か前から告知もしてるし、お前にも言っといただろ」
 オニールおばさんにも話回してもらってるから、城内で知らないやつのほうが少ないはずなんだけど、と言うテッドは、ぐずる幼い女の子を抱き上げ、片足に今にも泣きそうな男の子をひっつかせている。
「・・・いつ託児所の保父さんになったんだ」
「違う。」
 名医と名高いリュウカンがいるからか、戦争には関与しないとする一般人も、治療を受けにわざわざ湖のど真ん中までやってくる。
 もちろん優先は本拠地内の人員なのだが、頼って来られれば義勇軍の解放軍としては、追い返すわけにもいかない。そのまま商業施設等での労働者となる場合も多いから、結果的には今ここにいる子供たちも、立派な本拠地の人員となるのだが。
「結構いたんだな、こんなに小さい子供も」
「俺も驚いた。っつーかもう本当・・・」
 そこまで言ったところで、わああんと衝立の奥から一際大きな泣き声が響いた。
「テッド! お主の出番じゃぞ!」
「だから、俺おもりじゃねぇってのに」
 リュウカンの呼び声に、片足に張り付いていた子の視線に合わせるようにしゃがみ込むと、頭を一度撫でてから立ち上がったテッドは、他の子供たちをかき分けて奥へと向かう。なおも止まる様子のない泣き声の元だ。
「やっぱり注射って怖いですよねー。そんなに痛くないのに、見構えちゃうって言うか。私もあんまり好きじゃないです」
 時々医務室を手伝うメンバーのビッキーは、そう言いながらもあっけらかんと笑っていて、つられたようにティルも口元を綻ばせた。
 小さい子供たちにとっては余計だろう。
 終わった子は戻ってもいいよーというビッキーの声に、何事もない子や泣きやんだ子は、挨拶をして医務室を出て行く。残っているのは数人で、それもすぐに終わるだろう。
「ほら終わりだから。もう痛くねーから大丈夫だぞ」
 大きな泣き声は収まったものの、まだぐずぐずしている男の子を抱き上げて奥から出てきたテッドは、さっきまでその位置にいた女の子の手も引いている。それはさすがにキツイのか、扉付近にいたビッキーに女の子の方を頼んでいた。
「人手が足りないなら、誰かに応援を頼めば良かったのに」
「最初は頼んでたんだよ。でも逆に泣かれたから諦めた」
「泣かれた?」
「『うるさい、ビービー泣くんじゃないよ』って」
「・・・・・・・・・・それって」
「さすがに人選を完璧に間違えたと思った」
 確かに。
 どうやら本当はラズロに頼みたかったらしいのだが、鉄腕アルバイターの彼は生憎シフトが組まれてしまっていて、抜けられない状態だったらしい。
 ロッテやシルビナには、針を刺すところは見ていられないと断られ、マルコやテンプルトンの子供組には、むしろ注射反対と言われてしまったから頼めない。シーナに至っては、俺子供の扱い解んないと手を挙げられた。
 けれど、もう事前に告知をしてあったから変更するわけにもいかず、動ける人数で強行してみたら、思っていた以上に子供と言うものに梃子摺り、かなり苦労したというわけだ。
「まぁでも一般の子たちはこれで終わりだし。あと子供っつっても主要メンバーだから、そんな大騒ぎするようなことはないだろ」
「・・・・・そうだね」
 本来であれば上から順に、となるところなのだろうが、免疫や抵抗力のない子供を一番先に、と通したのは医務局だった。
 戦闘に参加するわけではないけれども、これからを生きる、作っていく人材だ。ワクチンは行き渡るよう十分に用意してあり、打つ順番が変わるだけだからと。
 リュウカンが参加した今、医務局の最高位という肩書は、自他共にリュウカンと言うことに落ち着いた。それで、医者が来るまでの取り纏めと言う形で席を置いていたテッドは、これ幸いと医療班から離れようとしたのだが。
 お主ワシの補佐をせいとの最高位の鶴の一声で、そのまま在籍することになり、いまや誰からも認識されている、医務局の次席である。
 本人は相変わらず、爺さんの雑用、とただの人員の一人というスタンスを崩してはいないけれども。
「それにしても慣れてるな」
「ああ、子守? まぁなー。ラズロじゃねぇけど、色々バイトも経験してるし。おかげで俺、子供と奥様方に人気絶大だぜ」
 地道に背中をポンポン叩きながらいた成果があって、泣きやんだ男の子はまだ鼻の頭を赤くはしているものの、すでに涙は乾いている。ビッキーに預けた女の子の方も、ずいぶんと元気になっていたから、二人で仲良く戻れよと下ろしたら、手を振って出て行った。
 これで本当にお終いだ。
「ティル殿、いらしておりましたか」
 衝立の奥で、使用していた器具の片づけでもしていたのだろう、小柄だけれども威厳のある風貌のリュウカンと、その手伝いをしていたアイリーンが顔を出す。
「やぁリュウカン。忙しそうな所に邪魔してすまなかった」
「いやいやとんでもない。ご挨拶も出来ずに申し訳ありませんな」
「アイリーンもご苦労だな」
「ティル様こそ、お疲れ様でございます」
 一段落ついた医務室は休憩モードに入った。とはいえ、部屋を空っぽにするわけにもいかないので、最低限を残して交代で休憩に入る。時間外は本当に急患以外は皆も遠慮するから、一人二人で事足りるのだ。
 ビッキーとアイリーンをはじめ、他数人の医療スタッフを休憩にさせたリュウカンは、テッドに自身がいない間の指示や書類についての簡単な打ち合わせをしてから、思い出したようにティルへ視線を向けた。
「そうじゃ、ティル様も受けて行かれますか」
「え?」
 いきなり向いた矛先に、当の本人と、書類を確認していたテッドが何の話かとリュウカンに顔を合わせる。
「予防接種ですよ。封を開けた分のワクチンに、まだ余裕がありましてな」
 城内にいる子供の八割は一般の子供だ。リュウカンの休憩上がりに、戦闘員の残りの子供たちを終わらせれば、今日の予防接種は終わりとなる。
 子供たちの後は、本来の流れと同じように上から順と言うことになっていた。幹部が動けないのではどうしようもないからだ。つまり。
「少し前後しますが、次はティル様の番でしたしな」
「ああ・・・そうだったかな」
 ふぉふぉふぉと豊かなヒゲを揺らして笑うリュウカンに、ティルも笑顔を返すけれども。
「・・・お前、もしかして」
 書類を持ったままで成り行きを見ていたテッドが、眉を寄せた訝しい表情を見せる。僅かに肩が揺れた気がした。
「まさか、注射いやだとか言うんじゃないだろうな」
 ジトリと半目の腕を組んだ格好で確信的にそう言えば、フイと顔ごと視線をそむける。
「いやというか・・・痛いじゃないか」
「戦争の最前線にいる人間が何言ってんだ。」
 あんまりにもな理由に、思わず普通にツッこんだ。
 モンスターとの戦闘も帝国軍との戦争も、自ら先頭に立って棍を振り回す人間が。ほんの少し、チクリとする程度の痛みに抵抗があるとは。
 どおりで予防接種の日程を忘れていたはずだ。頭から排除したのだろう。
「だ、だってそれとこれはなんか違うんだよ」
 痛みの種類が違うとか怖さが違うとか。
 呆れたようなテッドの様子に、慌てて自己弁護に入るけれど、結局は注射が苦手だと言っていることに他ならない。
「・・・お前本当、苦いのはいやだとか注射はいやだとか・・・」
 溜息までついて嘆く素振りを見せたから、じゃあテッドは平気なのかと威勢良く噛みついたら、当たり前だろと飄々と返される。ますます立つ瀬がなくなった。
「とにかく、お前は軍主なんだし、しないわけにはいかないんだから」
 さっさと済ませちまえと、片付けかけていた器具を再度出してきたテッドに、リュウカンもそれもそうじゃと笑って注射器を手に取る。
「え、いや、でも」
「考えても見ろよお前。今で良かったじゃねぇか」
「え?」
 どうにか回避しようと考えを巡らせていたら、棚から脱脂綿と消毒液を用意したテッドが、ああと口を開いた。
「だってお前、マッシュさんとかレパントさんの前で、注射いやですって言うのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 そうだ。上から順にと言うことは、ティルの次は幹部の人間たちで、数分で終わる処置なのだから皆まとめて行うだろう。今回の子供たちのように。
 その場では確かに言えない。
「・・・いや、だから僕は、何とかかんとか理由をつけて、受ないつもりだった」
「却下。」
 何言ってんだ軍主のくせにと冷たくあしらわれ、次いで手を差し出される。腕を出せということだ。
「・・・・・・泣いたらどうしてくれるんだ」
「って泣くの前提なのか。あー、じゃあ、まぁ頭撫でるくらいはしてやるよ」
 ぎこちなくリュウカンの前の椅子に座り、しぶしぶ腕を出せば、テッドは遠慮なく袖をまくって脱脂綿に含ませた消毒液を塗る。
 ひんやりとする、この感じも恐怖を煽った。
 小さい枕のようなものの上に腕を置き、針を見ないように顔を横にずらしたら、丁度その位置にテッドがしゃがみ込む。
「大丈夫だぞ、怖くないからなー。十数えてる間に、いつの間にか終わってっから」
 ニカッといつもの明るい笑顔でそう言うけれど。
「・・・・・テッド。それ、さっきの子供たちと対応が同じなんだけど」
「子供相手だから子供用の対応するんだろうが」
 また子供扱いするのかと、されても仕方ないと解っていても言いそうになったとき。
「ほれ、終わりましたぞ」
 正面にいるリュウカンの声がして、それに気付いていたような素早さで、テッドが再び消毒をしガーゼを当ててテーピングをした。
「え、あれ?」
「今日は風呂禁止な。激しい運動もダメだ」
「あ、うん。えっと・・・」
 終わり?
 そう、終わり。いつの間にか終わっただろ?
 呆けている間にまくっていた袖も直してやって、立ち上がったついでに、ぽんぽんとティルの頭に手を置く。撫でるのとは違う、これは。
「泣かなかったなー、よく出来ました。偉い偉い」
「・・・・・ッ・・・・・テッド!」
 リュウカンに先に休憩に入る旨を簡単に告げ、すでに扉の方へと歩いていた後姿に叫んだ。そのまま追って、自分も扉まで来たとき気がついたティルが振り返り、「すまなかった、ありがとう」、と礼と詫びを言葉にして出て行く。
 一人残されたリュウカンは、嵐が去ったあとのような室内で、豪快な笑い声をあげた。


 翌日。
 幹部から順にと受けた予防接種は、育ちや環境柄あまり慣れていないものも多く、子供ほどではなかったにしろ、それなりに手間取り。
 特に、妙に力の入った腕を差し出した某青い人は、力抜いてくださいね、と優しくアイリーンに言われていて、見物に来ていたティルに、やっぱりあの時受けといて正解だったなと思われていたとか。





 ちなみに一番手間取ったのはパーン。某フリックよりがっちがちのリキミっぷりだった。(笑)





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ただひたすらに、テッドへの愛を叫ぶ。
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