300歳ブログ
HappySuikoden20th
2015.12.15 (Tue) | Category : 小話
20周年おめでとうありがとう! そうかー、1995年だったのかー。
あの頃のゲームとかアニメってほんと強いな・・・今でもまだまだ生きてるのばっかだもんな・・・さすが世紀末・・・。
というわけで、何かかければよかったんですが、トラこじょさんの呟きでハッとなってからそんな時間もなく。
12/15は観光バス記念日っていうから、坊さんテッドルックシーナフッチを観光に行かせる・・・?観光・・・?ネズミー・・・!?みんなで耳つけようか!?みたいなとこまでいったけど、そもそも人生において片手で足りる程度しか行ったことないにわか人間に、あの王国をネタにするなんて出来なかった。アトラクションの名前すら曖昧。
ならばと考えた結果、あれ、そういや2010年10月10日のスーパーテッドの日のやつ、こっちに上げてないな、と。
テッド尽くしさんでももう当時のカレンダー表示されないから、多分お蔵入りなんだろうし。
こ れ だ。
私も自分で投稿したあのページの行き方解んなかったんで、過去データすんごい漁って出てきたやつを、少しだけ修正したものになります。
あんま変わってないと思う。
私にしてはとても珍しいちゃんと正規ルートの2時代の話ですって待ってここまで打ってようやく1の20周年なのに1の話じゃないことに気がついた。
わー、すみません、坊さんと一応テッド出てくるんで、主人公くん目線だけど、大目に見てやってください。(苦笑)
まぁいっか祝い事だしな許してやんよって広き懐をお持ちの方は、顔文字くんからお進みください! サラッと終わるよ!
ありがとう20周年!! おめでとう20周年!!
「すみません、今、坊ちゃんはイチに行っているんです」
「はぁ。イチ、ですか」
「ええ」
イチです。
商人はいつの時代でも逞しい。彼らは様々な物や人、情報を連れて街を行き交う。よってその場所は自然と人が集まり、商場が出来る。
グレッグミンスターのように大きな街は、集まる商人の数も多い。商人の数も大きければ、商場も大きくなる。そうした結果、市も結構頻繁に立っていた。
「いっやぁ、そこをもう少し!」
「ギリギリ限界だって」
「そんなわけないでしょー。お兄さん、群島の方から来たんだろ? これ、あっちじゃどこにでも売ってる特産品だと思ったけど?」
「・・・いや、そうだけど、ここまでの運搬手間賃とかでだな」
「そこを踏まえてもう少しなんだってば。ここがファレナとか近場だったら、もっと遠慮なく値切ってるぜー」
「あー、解った解った。これ以上じゃ、マジで限界になっちまうよ。それで売ってやる!」
「交渉成立ー。じゃあこれとそれと、あっちのも一緒に。向こうじゃそうだな」
「全部込みで最初のこれだけの値段にしてやる。」
「あ、ほんと? うん、まぁ妥当かな。じゃあそれで!」
生まれも育ちもこの街のティルには、市自体は珍しい光景でもないし、グレミオと共に何度か足を運んだことだってあるけれども。
楽しそうに露天商と喋っている親友が起こした一連の行動には、目を見張るものがあった。
「・・・凄いな、テッド」
「何が?」
無事に引き渡された商品が入った紙袋を抱え、次の店舗を覗きながら歩いているテッドに声をかける。振り返った顔は台詞と違わず、疑問符が浮いていた。
僕やグレミオは、あそこまで値引き交渉したことはない、と言えば、ああ、と解ったような表情を作る。
「そりゃお前らはしないだろ。っつーかしてるとこ見たら俺は殴る。」
金は持っている人間が使わないと世間に回らない。
「確かにそうだけど・・・あそこまでするものなのか?」
「とりあえず出来そうなとこまではするな。あとはあれだよ、駆け引きの楽しさというか」
他愛無い会話をしながらのやりとりが良いのだそうだ。元々こういう商人は、最初から吹っかけてくることが多いから、多少の値引きは当たり前のように利くらしい。
「まぁそれに、成功すれば・・・ほら」
ゴソゴソと紙袋に手を突っ込んで、目当てのものを取り出し、ティルに差し出す。
「浮いた金で他のものも買えるしな」
反射的に手を出したその上に、群島名物のお菓子だぜ、と言いながらドーナツのような、甘い匂いの揚げものを置いて笑ってみせた。
帝国から共和国へと変わるとき、一時荒廃したグレッグミンスターは、それでも思いの外早く復興を遂げた。それはひとえに、新国家への夢と期待と希望をこめて足を運んだ、商人たちの活躍に他ならない。
どこよりも早く新たな流通経路を開き、商場を作ったのだ。
(・・・イチって、市かー)
リオウが先日、偶然出会ったかの英雄は、今そこに物見遊山に行っているらしい。それにしても帰還を望まれている英雄が、フラフラとそんな人の多そうなところに行って大丈夫なのだろうか。
ふと思ったことを口にしてみたら、バンダナと服の色を変えると、結構気付かれないものですよ、と家の留守を預かる青年ににこやかに言われて。
そんな単純な、と思って来てみたのだけれど。
(うっわ、本当全然解んない・・・!)
市自体も大きいし、人も多いから尚更なのだろうが、トレードマークともいえる特徴を取り払ってしまうだけで、こんなにも紛れてしまえるものかと思うほど。本当に来てるのかな、とすら思う。
あー、もう僕も大人しく待たせてもらえばよかった、と、いってらっしゃいなんて言いながら門前で手を振った残りのメンバーを思い出して途方に暮れた。
そこに。
「あれ? 君・・・リオウ、だっけ」
不意にかけられた声に振り返れば、黒い着衣の、少年と青年の境目くらいの人物。教えてもらっていたのにもかかわらず、目があっても数秒間解らなかった。
「意外でした」
「市? まぁ確かに子供の頃はあまり行かなかったかな」
それはそうだろう。
いくらマクドール家が貴族然としている家柄ではないと言っても、由緒ある将軍家の跡取り息子が、庶民の代名詞と言っても過言ではない市に行くとは考えにくい。
「行くようになったのは、探してる人がよく行ってたから」
考えを読んだようなタイミングで続いたティルの言葉は、リオウの興味を惹いた。
「探してる人、ですか」
「そう。親友がこういうとこ好きな奴で。いつも一人で行ってしまうから、僕も慣れてしまった」
苦笑しながら思い出したように、持っていた紙袋の中から茶色くて丸いものを取り出して、リオウへと差し出した。
「懐かしくなって買ってしまって。食べてくれるとありがたいな」
群島のおやつだそうだ、という台詞に、ああ、と思う。
この人は。
「とても大事な人なんですね」
「え?」
「その親友さん」
きっと今でもその姿を・・・面影を、探しに。
一度ぱちりと、どことなくゆっくりとした瞬きをしたティルは、リオウに合わせていた視線を前方へと投げる。
「・・・うん。沢山のことを教えてくれたしね」
良いこと、悪いこと。喜びも悲しみも切なさも、愛しささえ。
与えてくれたのは、彼だった。
「でも、そうだな」
遠いどこかを見ていた瞳が僅かに細められる。まるで新しい悪戯でも思いついたような、実に楽しげな光を纏わせたそれは、否定の接続詞を乗せた言葉とは噛み合わない。
不思議に思ってティルへ顔ごと向けたリオウは、同じように顔を向けてきたティルと真正面で視線がぶつかった。
その顔は、一つの国を打ち建て、生きた伝説の英雄という肩書きなど全くなくて。
「大事と言うより、大好き、だな」
確かめるようにそう言うと、まるで子供のように笑ったのだった。
アップ 2015年12月15日12時15分20秒
