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2026.04.05 (Sun) Category : 

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ときかけ

2010.12.09 (Thu) Category : 小話


未来で待ってるって某台詞、よく考えたら、凄く坊さん子テッドですよね!!
何てこったニヤニヤしかしない!
って思って、当てはめてみたんですが、あれ何かおかしいと首を傾げる感じになりました。
どうもうちのテッドは、あんな反応しないようです。
告白されても、何言ってんだって言われるか、どうもなって言うか、とりあえず取り合ってくれない。
・・・あー、だから友情の域を出ない残念具合になっちゃうんだね!
あんなにおいしいのにな・・・!(ガクリ)
まぁいいか、多分きっとあんまり期待されてない!

だからって何でこっちに走ったのか。
良いんだ、書きたいものを書くんだ!(パーン!)

前にアップした、遊郭っぽいパラレルがダメだった人はご遠慮ください。
あれの続きのような? になってます。(ん?)
まぁ相変わらず色っぽくはないですが。



【固定タグ】
酷いパラレルだが大丈夫か? 大丈夫だ、問題ない。 一番酷いパラレルを頼む。



拍手[6回]






 煙管から上り立つ、煙る匂いと芳醇な酒の香りは、広い座敷をうっすら白く染め上げていた。
 戸口に近い下座では数人の女郎とゴルドーが、楽器に合わせて実に楽しそうに追いかけっこをしている。ラウドが両脇に別の女郎をはべらせ手叩きをしながらそれを盛り上げ、ソロン・ジーは壁にもたれて早々に酔いつぶれていた。
 パチン、と良い音を立てて置かれた駒に、向かい合わせで差していたルカが、ほう、と口元を歪める。
「面白いところに置いてくる。ここでは獲られると解っていてのことか?」
 言葉の通り駒を移動させて、今置いたばかりのジョウイの駒をルカは笑って手の中に入れた。
 この場での最上位は上座に悠然と座るルカなのだが、下座の様子の通り、各自がそれぞれ好き勝手に騒いでいるこの状況は常である。ルカが全く気にしないとはいえ、彼らの振る舞いは確実に自分たちが楽しむだけのものであり、忠義ある部下とは言い難い。
 そんな中でルカが相手をしているのは、太夫衆として呼ばれたジョウイだ。その斜め後ろにテッドがつき、二人の真ん中、盤と向かい合って審判役を務めているのはレオン。
 対局は終わりに差し掛かっていた。
「僕は強くありません。それでも勝つためなら、多少の犠牲は厭わない」
 まっすぐにそう言ったジョウイは、ルカの行動を解っていたように次の一手を置き、王手と発する。
「なるほど。肉を切らせて骨を絶つか。だが」
 王手を差したその駒を、ルカの王駒自らが進み出て打ち砕いた。そして続けられる勝負も。
「それすらも俺は、力で押し切ってくれるわ!」
 ルカの勝ちだ。
「・・・!」
 一瞬だけ見えた勝機は掴めず、結果、逆手に取られて負けを決したジョウイはがっくりと項垂れる。何度かこうして相対しているが、一度として勝ったためしはない。
「いいところまで行くのですがね、詰めが甘いと言うか」
 終わった盤をじっくりと見つめて言うレオンに、同じく覗き込むような体勢で見ていたテッドも口を開いた。
「そうなんだよな、どうせだったらもっと突っ込みゃ良いのに」
「え」
 ひょいと腕を伸ばして、勝敗の決した盤を一手一手、巻き戻すように駒を置きなおしていく。淀みなく動くそれは、今の対局の流れを覚えていると言うことに他ならない。
 そして。
「俺だったら、ここでこっちに置く」
 さっきの、ジョウイが勝負を賭けた一手のところで、ジョウイとは違う一手を差した。
 そのまま顔を上げてルカを見やり、ニッと笑う。向けられたルカも面白そうに口角を上げ、改めて一手を打った。
 パチパチと軽快に続けられる互いの手が、ややあって、一方だけの間が徐々に空き始める。
「・・・む」
「これは・・・」
 迷いだしたのはルカの手で、成り行きを見ていたレオンも考え込んで、唸り声を上げた。
「俺は力もないし、痛いのも嫌だからなー。肉も骨もやらない」
 どうにかこうにか置いた一手の直後、パチンと躊躇わずに置かれた駒は、先ほどの一手を生かすためのもの。
「その前に筋を叩く」
 今度は、動けなくなったのはルカの方だった。

「面白い策だったな」
「お褒めに預かり恐悦至極」
「やめろ、似合わん」
 目元を緩やかに細め僅かに口角を上げただけの、上品な笑みを乗せて深々と頭を下げれば、舌打ちでもしそうなほどに思いっきり眉をしかめて却下される。つくづく型に嵌らない権力者だ。
 興が冷めたのか、ただ単に一局終わったからなのか、盤から離れたルカは数本の徳利と杯だけを持って、障子窓の方へ寄っている。
 開け放たれたそこからは、楼城の明るさにも負けない月が、ぽかりと闇夜に浮いていた。
「本当に俺の下で働く気はないか」
 お前一人引き抜くくらいの金は造作もないぞ。
 唐突に切り出された台詞は、とりあえず一応上座とは言え、月が綺麗に見えるくらい四隅の端っこであったため、他の誰に聞かれることなくテッドに届く。
 さっきまで共にいたジョウイとレオンも、指導のような勝負をしているから尚更だ。
「評価はありがたく受け取っとくけど」
 乾した杯に徳利を傾け、慣れた仕草で代わりを注ぎ込むと、今ほど見せたものとは違う笑みを作って。
「俺はこの街に恩も義理も想いもあるから」
 何の情もない国のために動く気はないんだと、頭を下げた。
 こうして打診されるのは初めてではない。ルカに対して、と言うだけではなく、誰にでも、何度でも、そのたびに同じく詫びてきた。変えるつもりはない。
「弾け。鏡花水月だ」
 切り出されたときと同じく、いきなり変わった話題にテッドは顔を上げた。
 上げた視線の先、再び空になった杯をついと動かしたルカが示したのは、少し後ろの壁に立てかけてある、濃紺の風呂敷包み。
「・・・あんた、今この状況でそれを言うか」
「貴様は黙って要望に答えていればいい。反論できる身分ではないだろう」
「そうじゃなくて」
 この大ドンチャン騒ぎの中で、そんな静かな曲弾けってのか。
 盛り上がっている中で演奏するようなものではないと、げんなりしながら暗に言うが、気にも留めずに手酌で満たした杯をグイと一口で煽り、構わんと吐き出した。
「この座は俺のもので、貴様は俺に呼ばれ、俺が与えた三弦を引くのだ。それに意見できるものなどおらん」
 ついさっきのジョウイとの対局のように、押し通せるだけの力を持つ男には、何を言っても無駄だと解っていて発した台詞だ。確かに反論できる身分でもない。そこに関しては、ルカ直々の命があってのやりとりだけれど。
 小さく息を吐き出してから、光沢を放つ真白な三弦を取り出した。
 未だ少年の域を脱しないとはいえ、男性が持つには不釣り合いの彩色と装飾が施されたそれは、紛れもなく女性用に設えられたもの。
 撥で一の糸を弾き調弦する。
「良い音だ」
「高価いからな」
「ああ、そうだ」
 テッドよりも用意したルカ本人のほうが、その価値は十分知っているだろう。たった一弦を弾いただけで、音の違いが解るのだから。
「音は抑えるぞ」
「俺に聞こえればいい」
 互いに月を背にしたまま、間に徳利を挟んだ距離で始まった曲は、静かで厳かに、そしてどこか寂しさを伴い、夜風に融けた。


 国境線を数百メートル先に望み、そこを真ん中に二方が対峙する形で向かい合っている。鮮やかな紅い旗をはためかせ待ち受けるのは帝国軍、冬の研ぎ澄まされた空のような蒼の旗は皇王軍だ。
 まだ一月に満たない前にも同じ光景があった。
 だがその時は、このやりとりはない。
「やぁ、ルカ・ブライト皇子。先日はどうも」
 わざわざ単騎で進み出て、高らかに名指ししてきた相手の将に確かに見覚えがある。唯一苦戦し、双方が引いて場を終えた、記憶に新しい相手だ。そう認識したルカに、けれど相手は、ああ違う、と言葉を繋げた。
「国同士の諍いは、僕個人には関係ないことだ。それについてはどうでもいい」
 ならば何だと言うのか。
 訝しむように眉を顰めたルカを気にせず、掲げるその旗とよく似た色の衣を着る相手は、フッと息を吐き表情を変える。その顔は、ルカが思いだした先日のときとは明らかに違っていた。
「けれど、僕個人が受けた借りはきっちり返してもらう」
 鋭い眼光が突き刺さる。ついぞ見なかったほどの強さだ。面白い。
「フン、馬鹿か着様は。ならば四の五の言っていないで撃って来い!!」
「言われずとも!」
 同じタイミングでニヤリと笑みを浮かべた二人は互いに武器を片手に取る。その流れのまま大きな動作で、ブンと頭の上まで持ち上げた。そして。
「「全軍、進撃!!」」
 振り下ろされた腕と共に、開戦する。

 戦況はまたも互角だった。ただ苦戦はしていない。善戦しているとも決して言えないが。
「・・・ふむ?」
 相変わらず前線で薙ぎ払うように戦いを仕掛けていたルカが、ふと周りを見渡した。首筋を微かに掠めた違和感。それが何かは解らないが、目立つ色を身にまとう、あの将がいない。
 戦場を駆けていれば見失うのは少なくないとはいえ、いくつもの場を越えてきた感覚が、何かを伝えている。
 瞬間、気付く。
(これは)
 陣の動きに覚えがあった。相手のものにも、自身のものにも。
 チリチリとした、既視感に似た不可解さ。馬上でぐるりと首を回し、その正体を見極めようとしたとき。
 ヒュン、と、近くで空気を裂く音を耳が捉えた。
「・・・!」
 反射的に手綱を引き馬を反転させ、ルカも身を捩って位置をずらしたそこに、両端に金の装飾を施した漆黒の棍が真っ直ぐに伸びている。鋭く突き上げられた腕の先、見えた顔は。
「惜しい。気付かれなかったら獲れたかな」
 いつの間にか馬から降り、歩兵と混じっていた相手の将。
「ッ貴様!」
 左手を引いて馬を操り、右手で持っていた剣を振りかざすが、機動は相手の方が早かった。棍を寄せそれを軸に後ろへ飛び退く。ルカの一撃は空を切った。
「ティル殿!」
 遠くから紅い将のものと思わしき名を呼ぶ女性の声が響き、同時に馬が駆けてくる音が聞こえ、兵士たちの間から無人の栗毛が向かってくる。
「良いタイミングだ。ご苦労、バレリア!」
 走りながら後方へ向かって叫び、駆ける馬の鞍に触れて地を蹴った。身軽な身体はその反動を利用して飛び上がる。それから、空へ投げ出された胴体を腕の力で引き寄せ、見事に馬上に収まった。
 脚だけで馬の方向を修正した相手の将は、両腕で棍を回しながら、ルカの正面に仕掛ける。ガァン! と金属同士がぶつかる甲高い音を立てて、互いの武器がぶつかった。
 力比べのような状態で対峙していたが、赤い将は不意に口元に笑みを浮かべる。
「生憎僕は押し切れるほど力自慢ではなくてね」
 手元は一切緩めないまま始められた会話は、ルカの返答の有無など気にもしていないのだろう。黒曜の瞳の強さを変えずに続けられた。
「それと、くれてやれる余分な肉や骨など一つもない」
 どこかで聞いたような台詞。
「痛みには多少耐性があるが、それでもやはり『彼』の策は秀逸だったからね」
 そうだ、これは。
「・・・なるほど、貴様・・・『アレ』の・・・!」
――― その前に筋を叩く。
 思い出した黄金色。
 あのとき負けを決した策。不可解さの正体。
「借りは返してもらう、ルカ・ブライト!」
 一瞬で打ち込んでいた棍の持ち手を変え、ルカの押し上げる力を初動に加えた速さで下から打ち上げた。
 至近距離だ。避けられるほどの間はない。ばきりと鈍い音を立ててルカの剣が真っ二つに折れた。
「ルカ様!」
 誰かの叫び声が木霊するが、多少体勢を崩した程度で立ち直ったルカは、手綱を握り馬を制御させてから、地面に転がる屠られた躯に生える剣を引き抜く。
 無造作に血糊を払い、綻びを確かめると、ゆっくり顔を向けた。
「面白い・・・!」
 そう言って、鉄色の双眸がギラリと光を放つ。しなる弓のように弧を描く口元が、言葉以上の感情を見せた。
 傷は負わせられなかったとは言え、大きな打撃を与えた紅い将は、馬上にもかかわらず簡単に棍を回し、短く息を吐き出すと、負けず劣らぬ笑みを浮かべる。
「・・・僕は貴方と違って、戦争を愉しむ趣味はないんだが」
 同感だ。

 馬が嘶き咆哮が響く。
 大地が割れ大気が熱を孕んだ。








あんまり狂皇子にならなかった。でもいつもあのテンションじゃないと思うの!(笑) 難しいなぁ、ルカ様。
そして坊さんは、成長なされるとこうなります。(笑)
あ、廓のちゃんとした作法とか流れとかはよく解っていませんので、雰囲気でお願いします!


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HN:
月島うらの
性別:
女性
自己紹介:
ただひたすらに、テッドへの愛を叫ぶ。
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