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1010その後

2012.10.19 (Fri) Category : 小話


私は多分、中途半端にギャグというか面白いことさせようと思ってはいけないんだ。(苦笑)
文章でギャグ書ける人すげーよねマジ。

えー、タイトルの通りです。
ちょっと坊さんのターン少なかったので。
マクドールの皆さんが、テッドの祝いをしないはずがないじゃないという。
むしろ坊さんが何もしないわけがないじゃないかむしろしてよしろください! っていう。
そんなわけで仲良し注意報・・・かな。仲良しというか、なんだ、うん。(え)
前後考えずに、言わせたいことだけ言わせて終わります。
から、長くはないよ!

お前いつもそうじゃんちゃんと落ちてると思ってんのかよ唸れ俺の脳内補完スキル! って強者は、顔文字くんからどうぞー!




拍手[6回]










 登校時は途中から合流するが、実は二人で下校するというのはほとんどない。
 理由はいくつかあるが、ティルは生徒会や塾、テッドはバイトやら何やら互いにそこそこ忙しく、時間が合わないというのが最大のそれだ。
「あんだけ食ってまだ入るとか・・・パーンさんじゃねーんだからさ」
「確かにそうだけど、リオウの割合が多かったし、何より今日、テッドを家に連れて帰らないと何を言われるか」
 それに甘いものは別腹って言うじゃないか、とサラリと零すティルに、いやそれ女の人だけじゃねぇのとテッドは首を傾げる。
 語呂合わせ恒例で友人たち主催の祝いとは別に、毎年マクドールの家でも祝いというか、ちょっとした夕食会が開かれていた。当初は恐縮しまくりだったが、やはりテオやグレミオに、私たちが祝いたいのだと言われ微笑まれてしまえば、テッドとて否とは言えない。
 数年経ってようやく慣れて、ティルが促してテッドも家に来るようになって。
 現在はその、マクドール邸までの道のりを歩いている途中だ。
「まぁでも、今年は夕食を振舞えなかったから、確かに未知数のケーキではあるな・・・」
 以前ご近所の奥様会で、ケーキを担当することになったと言って作製したものを思い出し、神妙な顔つきになったティルを見てテッドも思い出した。現物を見たわけではなかったが、記念写真を見た記憶がある。
 本気度すげぇって、考えるよりも先に口から出た。
「や、美味いんだけどな、食うの躊躇するっつーか」
 多分作ろうと思えば公式と遜色ないキャラクターケーキも余裕のレベル。装飾まで含めて、金を取っておかしくないほど。
「たまにだから張り切るんだよ。戻ってくれば緩和するのに」
「いや、世話になってたときだって相当だったぞ。」
 相変わらずテッドの家出をよく思っていないティルに首を振り、そうこうしている間にマクドール邸が見えてきた。

 おめでとうございます、おめでとう、おめでとさん、最後にテオからも同様におめでとうと言葉を贈られた祝いの席は、フルーツをふんだんに使い、それを邪魔しない程度の甘さの生クリームと、ふわふわながらしっとりとしたスポンジで段重ねになったケーキを真ん中に、これも食べられますよと言われた、砂糖なのかマジパンなのかテッドには知る由もない様々な花を模したもの、そして最近テレビで見るようになった、スイカを丸々使っての彫刻アート他が所狭しと並んだ。
 張り切ってしまいましたとぱぁっと輝くような満面の笑顔で披露されたそれに、さすがのティルも閉口したのは言うまでもない。
「やっぱり帰るのか?」
「着替えもねぇし、明日の準備も何もしてないからな」
 甘いものも何でも食べるテッドの片手には、最初からその予定だったのだろう、当然ながら多すぎて食べきれなかったケーキの上段が綺麗にホールのままで渡されている。他にも何か入っているようだから、グレミオの料理が好きな同居人も大喜びしてくれそうだ。
「・・・・・明日の準備なんかしないじゃないか」
 夕食直後に到着して、数時間をマクドールの人たちと過ごしてから。
 今日は泊まっていけるのかねとテオに尋ねられ、いえ帰りますと答えれば、不満気な声と表情が漏らされた。夕食ですら遠慮するテッドは基本、よほどのことでもない限り泊まらない。
 だから想定してはいたけれど、面白くないものは面白くない。
「けじめだろー。何のために出たのか解んなくなるじゃねぇか」
「・・・そこまで送る」
 納得なんかこれっぽっちも微塵ほどすら思ってませんと言わんばかりの溜息を一つ零して玄関を出る。
 ティルが少し先まで見送るのは恒例で、マクドールの屋敷が見えるギリギリの曲がり角、反対側に街灯がある十字路が、いつの間にか決まっていた停止線。
「これ」
 すでに住宅街は静寂に包まれていて、自ずと二人の声も潜められた。
 小さめの紙袋を胸の前まで持ち上げられ、反射的に受け取ってから、なにと疑問を口にする。
「チキンラーメン。」
「いやだから昼間も言ったけどあれ別に俺の名前を歌ってるわけじゃねぇしそもそもテッドって言ってないかんな。」
 テッド自身は全く気付きもしなかったが、シーナが唐突にテッドに聞こえると言い始め、ヒヨコだしなとサッパリ解らない関連性を示された結果、ネタにされる羽目にまで陥った。
 一時期ラズロの携帯の着信音がこの曲だったときは、メモリ全消去騒動にまで発展しているが、それはまた別の話だ。
 とにかく、そんなアレコレがあってのテッドの日でチキンラーメンは、まぁ何と言うか仕方のないことだと妥協もしよう。
 見れば紙袋の中のものは、青い包装紙でラッピングまでしてあって、普通に購入しただけではこうはならないから、間違いなくプレゼントとして用意されているのだし。
「うん、ま、ありがとな」
 気持ちは嬉しい。物だって嬉しい。結局、何だって嬉しくなる。
「テッド」
 ぺたんこのボディバックのおかげで自由になる両手に、それぞれグレミオの手料理とティルのプレゼントを持ち、数日は食料に困らないなと考えていれば、存外真剣な声色で名前を呼ばれた。
 僅かに開いた距離に振り向く、停止線まであと十数メートルの位置。
「チキンラーメンの歌、ちゃんと知ってるか?」
「まだ引っ張んのかお前。」
 ここまで来て更にかとツッコミを入れるが、聞こえた声と同じ、真面目な瞳にぶつかる。
「・・・や、俺あんまテレビ見ねーから、シーナの携帯の動画で見せられたくらいで」
 難しい歌ではなかったという記憶と、耳に残りやすいメロディラインは覚えがあるが、何より着ぐるみの映像の方が強くて、ちゃんとと言われると決して頷けない。
 なぜか神妙な顔つきで尋ねたまま見てくるティルに、疑問を感じながらもそう答えを返すと、短く息を吐き出して言った。
「チキンラーメン、ちょびっとだけ、すきになってって歌詞なんだ」
「ああ、そんでその後にてっとてっとって続いて、俺の名前に聞こえるってんだろ」
 からかい混じりか口についていたのか、CMが放送されていた当時はチッキンラーメンと歌い出された段階で手が出ていたから、最後までは言わせなかったが流れは知っている。
「うん、そう」
 目前にまで辿り着いた停止線で歩を緩めて、いつものようにじゃあなとか、おやすみとか挨拶を交わそうと、半身でティルに振り返って。
「好きになって、テッドって、続くんだ」
 そこに、簡単な肯定の音だけでは気付かなかったものが。
 街灯は十字路の向こう側。けれど既に闇に慣れた目は、その表情をしっかりと捉えた。
 なんで、そんな。
「・・・テッド」
 どれだけの大勢の前に立っても見せたことのない緊張した面持ちは、強いほどの力が眉間に込められているのに、どこか縋るような彩を浮かべた黒曜石が印象を変えさせて。
 ぎゅっと、握りこまれた両手に筋が浮く。
 少し掠れた声で呼ばれた名前。
 一瞬の沈黙が覚えたのは心臓の痛み。
 ゆっくりと動いた唇が紡いだ音は。
 
「好きになってよ、テッド」
 僕を。

 震えたのは、どこだっただろう。








安定の坊さん→テッドでした! がんばって坊さん本当がんばって!(笑)

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プロフィール
HN:
月島うらの
性別:
女性
自己紹介:
ただひたすらに、テッドへの愛を叫ぶ。
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