300歳ブログ
300歳のためのブログだよ!
30のお題・)27人嫌い
2011.10.24 (Mon) | Category : 30のお題
世界中で異常が続いてますね・・・ちょっと本当色々不安。
とりあえず寒い!(カッ)
30のお題も14個目!(多分)
もう少しで半分!
あれ、目からなんか熱い汗が・・・的なセルフエコノミー状態のお題ばっかり残ってきたけどどうしよう!(苦笑)
まぁ私の場合、お題に沿ってるようで沿ってないって多いからアレだけど!
という訳で今回は。
テッドものを書く場合の必須場所。
鎖で繋がれてんのかなぁ、手錠だけかなぁ、中だから枷なしなのかなぁ、でもきっとボロボロだよねボコボコかもしれない! ってニラニラしながら牢屋テッドでございます。(笑)
薄暗いけど痛い表現はない、はず。
坊さんもよんさまもルックも出てこないからスパンと終わるよ!
顔文字君からどうぞー!
カツン、と響くヒールの音に、テッドは億劫そうに目を開く。こんな場所にそんな履物で来る人物は一人しかおらず、聞き慣れたというより選択肢が他にない。
「起きてるんだろう? 堪えてないのは解ってるんだよ」
グレッグミンスターの頑丈に作られた広い牢獄の一番奥、ほとんど使われたことのない、特別とも言える独房の前で止まったその音は、次いで涼やかな女の声を発する。
予想通りの相手に気だるげな様子を隠しもせず、ゆっくりと軋む身を起こしたテッドが見上げた先。
「・・・何の用だ、魔女」
そう称される事が楽しいとでも言いたそうなウィンディが、真っ赤なルージュを引いた唇を弓形にしならせた。
「相変わらずご挨拶だねぇ。もっとも、いつまでその態度が持つやら」
供もつけずたった一人、重苦しい扉についた鉄格子の窓越しでクツリと笑う。
気まぐれにやってきては紋章の的にされたり水を浴びせられたり、ただ話をしていくだけの場合もあるが、場所柄と立場上、過ぎない程度の責め苦を強いられていた。ソウルイーターの恩恵もあってか、ウィンディの言うとおり何とか大事にまで至らないのが現状で、ギリギリながら随分と打たれ強くなったもんだと感心する。
よって、こうして捕まって結構経つが、屈することなく、するつもりも理由もない。
時間すら無限にある。例えソウルイーターが手元になくても。
「いい加減、色よい返事をもらえないかと思ってね。お前だってこんなとこ、もう飽きただろう?」
「確かにうんざりだが、あんたの手駒になるつもりはない」
ウィンディの方もテッドの状態を間違いなく見極めていて、急かすでもなく丁度いい退屈しのぎのように面白がっている。
過去に幾度か相対したけれど、しっかりと捕まったのは初めてで、その上今は何の力も持っていない。確実な優位が崩れないからこその対応だ。
「本当に諦めが悪いこと」
「そんなのお互い様だろ」
違いないわ、とおかしそうに笑う。
ソウルイーターは紋章を手にしただけでは力を発揮しない。ソウルイーターの選定者であるテッド自身が発動のキィとなる。
つまりテッドの意志がなければ紋章は使用出来ず、現在の持ち主であるティルの場合も、テッドによって預けられた経緯があってこそ発動し、奪うだけではただの持ち腐れになるのだ。
だから今まで危ない目にあっても殺されることはなく、こうして数え切れないほどのやり取りがあった。
「まぁ構わないよ、今はね。そのうち嫌でも応じるようになるさ」
にんまりと口元を歪める表情は、さっきテッドが呼んだ存在に相応しく、ただならない雰囲気に眉を顰める。
「あの坊やに一体何を見出したのか知らないけどね」
脈絡なく続いた台詞に一瞬戸惑い、けれどすぐに繋げられた言葉に、何の話かを理解して僅かに身を強張らせた。
「同じだよ。どこまで行ったって、何をしてたって、人はみんな同じさ」
昔も今も、変わらなかった。
どの時代でも、どこの国でも争いはあって。
家が焼かれ、村を追われ、町がなくなり、大勢が死んだ。
「ずるくて汚くて醜い。少しでも事が起きれば、あっさりと掌を返して裏切る最低の生き物」
覚えがない訳ではない。
混乱の中に生きることが多かった自分たちには、むしろ有り余るほどのものがある。
「博愛? 平等? とんだ冗談じゃないか。人なんて他を食い潰して生きているのに」
クッとまるで小馬鹿にしたような、蔑んだ色を滲ませて言い放つウィンディに、テッドは眉を寄せたまま静かに口を開いた。
「・・・・・そんなに人が嫌いか」
感情が乗せられていないその音に反応して、ちらりと横目でテッドを見やったウィンディが目を細める。
「そうね・・・嫌いとか嫌いじゃないとか、もう、そういう感覚じゃないのかもしれないわね」
思い出すのは遠い過去。
等しく同じ時を刻んでいた最古の記憶。
そこには確かに、縋りたくなるくらいの目映さと、真綿で抱きしめられるような優しさがある。それと同時に、叫びだしそうなほどの激情も。
それは。
「お前だって思ったことがあるだろう? アレを持っていた以上、普通には生きられなかったし、周りにだってそうは扱われなかったはずだ」
全て無くなってしまえば良いと、奥底から湧き出た、願いにも似た強さの途方もない昏い思い。
疎まれた。
憎まれた。
怨まれた。
何故、どうしてと糾弾されたことも一度や二度ではない。
ウィンディの独白のような台詞は、テッドにとっても痛いほどに良く解る。長い旅をしてきて、逃げるようにその地を去ったことなど数え切れない。
「・・・・・でも」
手を差し伸べられたことも、温もりを分けられたことも、迎え入れてもらったことも。
多くはなかった。けれど決してなかったわけではない。
それらは全て同じく。
「でも、俺だって人だ。あんただって人だ・・・違いなんか、ない」
人が与えてくれたもの。
「・・・・・・・・」
足元の石畳を睨むように見つめたまま、ウィンディは口を噤む。鈍い色を放っていた双眸は、先程とは別の色で揺らめきを見せていた。
開いていた扇子をパチンと音を立てて閉じると、そのまま裾を翻して背を向ける。
「・・・俺は、何があったって抗うぞ」
顔だけで振り返ったウィンディに、決意表明のように力を込めて言い放つ。
服はあちこち破れてボロボロになり、身体中に痣も傷跡も残って薄汚れているけれど。
瞳の強さは一向に落ちることなく、なお煌きを見せた。
「そう・・・それは愉しみだわ」
抗う。
あんたにも、紋章にも、運命にも。
最期になっても、思い通りになんてなってやらない。
「せいぜい頑張るんだね、無駄な足掻きを」
そう吐き捨てて今度こそ踵を返したウィンディは、靴音高く牢を後にする。入口の扉が閉まり、完全に気配が遠退いてから、テッドは深い呼吸を数度繰り返した。
テッドが存在する限り、ソウルイーターの宿主はテッドを置いて他にない。
途切れることのない繋がりは、既にティルにとっての一人目を喰ったことを教えていた。恐らくまだ増える。
自分を囲えていないせいで、ソウルイーターの飢餓は増長している。この離れた場所から、どれくらい抑えられるだろう。
今は何の模様もない右手の甲を視界に入れ、左手で包み込んで瞼を閉じる。
それからゆっくりと顔を上げ、明かり取りのために区切られた、僅かな隙間から覗く空を仰いだ。
ソウルイーターの発動云々は、ウィンディがテッドを操ってた理由ですね。
ただ坊さんに会わせるだけに生かしてたわけじゃねぇだろうよと。
元々私の設定は、ソウルイーターがテッドを選んだってことになってたんで繋げてみた。
そしてテッドはある種の悟りを開いてると思われます。(笑)
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