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30のお題・)17キズ

2011.05.25 (Wed) Category : 30のお題


お久しぶりです。
色々あって色々考えましたが、オンラインではオタク活動を復活しようと思います。
オフラインに関しては、ちょっと控えることにしました。
テッド生存パラレルの続きものは、私的にはスカーレティシアからテオ様までのあの部分が一番描きたかったところなので、まぁいいかと。
今まで幕間ネタは、発行した本までの時間軸でしか書いてませんでしたが、今後は適当にパラパラ好きなとこ書いていこうと思います。
何つって、ハローハローではすでにグレミオさんの存在がスルーだったんですけどね。(苦笑)
書き終わってから失敗したって思って、まいっかって全く触れずにいたけど、ここでバラしてみたよ! ウヒヒ!

と言うわけで、三都物語さんへの参加も予定していません。丁度、在庫もないことですし。
50のお祭りのとき行けて本当に良かった。
つたない本でしたが、手にとっていただけて嬉しかったです。ありがとうございました!
よろしければ今後ともこのブログにお付き合いくださいな!


さて、復活一発目は30のお題です。
よんてどの日のネタはいつかそのうち。復活一発目でふぉも臭ってアレだし!(わー)
日常に近づけることは、不謹慎じゃないよね!


拍手[14回]








「珍しいですね、何してるんですか?」
 数か月の遠征を終えて不得手な書類を作り、ようやく片手でも余る程度の休暇をもらったその初日。久々に戻る屋敷への手土産でもと思い立ち、グレッグミンスターの城下町に立っている市へと足を向けた。
 いつもの鎧や帝国兵服から平時の服へと着替えれば、自分が誰で、どういった身分なのか、一般平民にまぎれてしまって解らない。
 実際、ここに至るまで気付かれた様子はなかった、のだけれど。
 ごく近いところから聞こえた、あれ? と言う声と、その後に続けられた自分の名前に驚いた。
「休暇、今日からですか?」
 こちらの心情に気付いた様子もなく、変わらない音のままの会話に振り返れば、両手で紙袋を持ち、笑顔でこちらを見る少年の姿。ありえないと思っていたから解らなかったが、顔を確認してみれば良く知っている声だった。
 しかも。
「こんにちは。お疲れ様です、アレンさん」
「もしかして遠征報告書の作成に今までかかっていたのか? アレン」
 二つだ。


 聞けば、どうやらアレンよりも先に報告書を提出したグレンシールは、その分早く休暇に入り、昨日の午後には既に王城を後にしていたらしい。上司であるテオもまた同じぐらいの時分から休暇をもらい、マクドール邸に戻っていた。
 書類が苦手だと言う自覚はあったが、休暇にまで響くと思っていなかったアレンは、その事実に頭を抱える。きっとこのシステムは、今回だけじゃない。
「に、しても。どうしたんだ、お前たち二人で」
 テオと共にだったり、テオを訪ねてだったり、マクドール邸に足を運ぶことも少なくないアレンとグレンシールは、マクドール家嫡男ティルの親友であるテッドとも顔見知りだ。
 町の少年特有の気軽さがあるとはいえ、意外とそれなりの礼節をわきまえているテッドは、絶妙な距離感に位置し、同僚や友人と言ったカテゴリからは外れるが、ただの知り合いと言うよりは近い。
 けれど、こんな風に二人で出歩くほど親密ではなかったはずだ。
「テオ様のところにいらしてたんですよ」
「緊急ではなかったが、報告書に記載するほどのものではない件があったので、直接ご報告に伺っていたんだ」
 で、その帰りが同じになっただけです。
 簡単な説明に合点がいった。確かにグレンシールの屋敷は市の反対側で、突っ切って行く方が早い。物見がてら、テッドと一緒に見て回っていたのだろう。
「お屋敷にお土産ですか? 決まってるのがあるのなら、その店までご案内しますけど」
 ウロウロ露天を見ながら歩いていたのを見ていたらしいテッドが、探しものがあるならと口を開く。町民にとって、市は台所だ。出店場所は決まっていないが、似たようなところに集まる傾向があって、何となく予想できるのだと言う。
 ニコニコと笑顔で言うけれど。
「いや・・・それが、あまり来ないから、何があるのかも知らないんだ。漠然と土産と思っただけで、何が良いかすらもサッパリ解らん。」
 緩く首を振って実はお手上げ状態だったのだと言えば、訳知り顔のグレンシールが一度頷き、あー、と言う顔でテッドがそんな二人を交互に見やった。
「アレンさんが来ないなら、グレンシールさんはもっと来ないですね」
「え?」
「・・・私も、家の者に何か買ってから戻ろうと思ったのだが、初めてで解らなくてな。テッド君が行くと言うので、同行させてもらっているんだ」
「とりあえずタイムセールのとこ先に行かせてもらったんで、これから土産になりそうなとこ行きますけど」
 ご一緒にどうですか、と言われて、渡に船とばかりに乗ってみた。


 北や南から集まってきている様々な物の中から、置物にするのか装飾品にするのか食べ物にするのか。種類もジャンルも幅広く、それを絞るのが大変だった。
 遠征で各地を飛び回っていても、それは仕事で任務だ。下級兵ならば空き時間はあるだろうが、まがりなりも将の位を頂く身に、空き時間はあってないといっても過言ではない。例えあったとしても、有事の際の準備や体調を整えるのに使う。
 したがって、土産を物色することや観光はおろか、現地の美味い食材で舌鼓、など、滅多にどころかほぼなかった。
 そして使用人ならまだしも、主人たち貴族は市に自ら足を運ぶことはない。
 とくれば、そりゃあ珍しく、目新しいものばかりに映るだろう。
「でもまさか、バーゲンよろしくそこまで買い込むとは思いませんでしたよ。」
 もしくは国外旅行でご近所に散々お使い頼まれたみたいです。
 スパンと切りつつテッドが視線をやるのは、アレンの手元。袋こそ、その辺のどこにでもあるようなものだが、量が例えを言い表している。
「・・・いや、気がついたらじゃあそれもって口が勝手に・・・」
「いいカモですねー」
 地域によって独特の文化があり、伝統工芸品や名産物、特産品、有名菓子や民族衣装にいたるまで。
 ほとんどの露天を興味津々に覗き説明を受けた結果、買い物好きの奥様方にも負けないくらい、両手に荷物状態に陥った。
「全く、少し考えて物事を進めたらどうだ」
「お前に言われたくはないんだが」
 呆れたような溜息混じりにグレンシールが言うが、そのグレンシールも、アレンほどではないにしろ、しっかりと両手に荷物を持っている。
 テッドにしてみれば、二人とも充分満喫してんじゃんといったところだ。口には出さないけれども。
「少し持ってくれ、グレンシール。腕が痛い」
 そう言う割にはひょいと軽々荷物を持ち上げ、ぶらりと袋を揺らす。けれど確かに袖口からは包帯が見え隠れしていた。
「どうかされたんですか?」
 それだけ元気で何を言うふざけるなとかそんな義理はないとか、軽い言い合いを余所にテッドが尋ねると、あっさりと打ち止めにしたアレンがくるりと振り返る。
「大分治りかけてるんだけどな、爛れたところが火傷みたいに、少し治りが遅いんだ」
「ただの不注意だ、お前のアレは」
 帰路途中、森の傍を通ったときのことだ。前方にカットバニーやマイマイといったモンスターに出くわした。
 テオを始めアレンやグレンシールがいる本隊だったこともあり、苦もなく簡単に蹴散らして剣を収めたそのとき。
 ぼたりと、頭上から。はいよるねんえきが。
 這い寄ってねぇ! というツッコミも出来ず、ドロリとしたその感触と気持ち悪さに一瞬硬直。思い切り腕を振り払ったが遅かった。
 直前に気配を察知し避けたものの、かわしきれなかった腕がじゅっと焼けるような音を立てる。溶解液の類か、それは篭手を貫通し皮膚まで届いていた。
「真っ赤に腫れてな、痛いんだか痒いんだか解らなくて、とりあえず冷やしていたから段々痺れてくるし、それが引いたらジンマシンみたいな、妙な斑点は浮き上がってくるわ水泡は出来るわで、自分の腕ながら気味が悪かった」
「・・・そんなだったのか」
「それでも登城してた俺は帝国兵の鏡だろう」
「仕事だ。」
 見事なほどの一刀両断ぶりに苦笑して、でも、とテッドが口を開く。
「それだけ聞くと、普通は手術になりそうですけど、よく治りましたね」
 もはやその酷さでは再起の見込みがあるようには思えず、健康な部分への拡張と命そのものを危惧し、腕を切り落とす判断すら取られそうなものだ。
 が、今の話を聞く限り、そういった話は一切なかったとしか思えない。よく自力で治せたと感心する。
「そこは俺の日ごろの丹念の成果と、見た目怪しいが効果抜群の薬草のおかげだな」
 多分、鍛えているから肉体的にも精神的にも耐えられた、ということと、かなり効く薬を調合されたという意味だろう。微妙な言い回しをするあたり、一般的には出回っていない『特殊』なものかもしれない。
 グレンシールがそれに気付き、暗に伝えたアレンを横目で見て、ほぅ、と小さく呟く。
「グレッグミンスターに、それほど腕のいい薬師がいたとは初耳だ」
「確かに効くんだが、本当に見た目が相当でな。材料も極秘らしくて、扱ってる店の主でさえ教えてもらってないって話だ。それ以外は副作用も問題もないから中継ぎしてるのだと言っていた」
 あ、なんかどこかで聞いたような。
 何も知らない子供のように、それは良かったですねと笑顔のままおとなしくしていたが、多分、自分は良く知っている。
(・・・・・裏通りの外れだし、あんまり綺麗な店じゃないから平気かと思ったんだけど)
 表向きはさておき、情報を主に商売をしているところで、一度少しだけ分けたテッド自作の薬草の腕を店主が見込み、預けてみないかと打診されたから、たまに小遣い稼ぎを兼ねてそうしている。
 確かに情報の質は良かったけれど、まさか帝国の人間まで出入しているとは思っていなかった。
 少なからず世話になっている人の役に立ったのなら良いとはいえ、一応テッドは追跡者がいる身だ。現状でさえマクドールの名で一般の子供よりも目立っている。これ以上は得策ではない。距離を置いた方が良いかもしれない。
(うーん、いい場だったんだけどなぁ)
 情報の売買にしても、小金稼ぎにしても。
 惜しいけれど仕方ない。
 吹っ切るように小さく溜息のようなものを漏らして、ふと思い出したことにテッドは、あ、と声を発した。
「そういえば、キズは治って来てるのに動きは悪いなんてことないですか?」
 唐突に振られた話題に騎士二人がくるりと顔を向けて、少し考えるような仕草を見せたアレンが首を傾げて口を開く。
「際立って悪いと言うことはないが・・・まぁ、時々痺れたり引きつったりはするな」
 言いながらぎゅっと拳を作って見せるけれど、充分な力は入らないらしく、軽く握る程度のものだった。
「そっか、でも動くなら大丈夫ですね」
「ん? 何かあるのか?」
 気安さを乗せたまま簡単に言えば、傾げた首を戻したアレンが不思議そうにテッドに尋ねる。
「や、まぁ、ただの噂話なんですけど」
 その昔、今回のアレンさんみたいな目に遭った人がいたんですよ。
 同じように溶解液の攻撃を受け、何とか逃げて、傷は負っても命に別状はなかったらしいのだが、傷が治っても、思うように手足は動かせないままで、それどころか日増しに動かなくなってきたと言う。
 これはいよいよおかしいと、詳しく調べるために少し細胞を取ると。
「傷口から体内に入り込んだみたいで、内部でどんどん繁殖した粘液が身体の至るところに根を張ってて、そのせいで動けなくなったんだそうです」
 根拠もなにもない、所謂、都市伝説の類ですね、と何でもないことのようにテッドが明るく笑ったけれど。
「・・・・・・・・へぇ」
 対照に引き攣った笑顔になったのはアレンで、グレンシールに至っては、完璧な無表情のままで固まった。
 テッドの言う通り、ただの都市伝説である。
 二人にとって耳なれないその言葉は、それでも口承の一種だろうと理解出来る。面白おかしく伝えられた、ただの話題。
 事実、はいよるねんえきの溶解液が繁殖するというデータはなく、遠征等でしょっちゅう出くわす二人だって、放出された溶解液が残留しているところなど見たことがない。大概は蒸発するように、じゅっと言う音を立てて気化してしまうのだ。
 カラーン、カラーンと遠くで鐘の音が響き、宵の刻の知らせに気付いたテッドが、両手で抱えていた荷物を確認してから一つ頷く。
「折角なんで、俺、閉店セールも覗いてきます。お土産あるんですから、お二人も早く帰ったほうがいいですよ」
 台詞の後半で既に反転していたテッドは、じゃあまた、お先に失礼しまーすと言って雑踏の中に飛び込んでいった。残された二人は一瞬呆気に取られて、それでも持ち前の反射神経で市を案内してくれたことの感謝を投げる。
 どうやら聞こえたらしく顔だけで振り返り、いつもの笑顔を見せると、直後に小さな身体は人に紛れて掻き消えた。
 そう。知っているし、ちゃんと理解もしている。
 が。
「なぜ距離をとるんだグレンシール。」
「・・・・・・・いや、別に。気にするな。」
「・・・気にしているのはお前だろうが・・・!」
 まぁなんと言うか。ぶっちゃけ気分とか何となくとか、そんな感じだろうか。
 伝染るものでもないし、そもそもそんなことにはなっていないのだから、全く意味はないのだけれども。
「何のことだか解らないが」
 しれっと言いながらもしっかり一定の間をあけ、優等生の笑みを貼り付けたグレンシールに、アレンも同じく笑みを作った。青筋のオプションをつけながら。
「そうか、俺の気のせいか!」

 騎士の鎧も帝国将服も着ていなくて正解だったと思う。
 手元の荷物も、上位の貴族が持つとは到底考えられないもので、丁度いい隠れ蓑になったようだ。
 さすがに掴みかかることはなかったが、属する組織での地位のおかげか、腹式の良く通る声は多少力を込めるだけで大きく届き、テンポよく投げられる悪口に満たないが棘のある台詞の数々は、どうにも噂に名高い火炎将と雷撃将の姿とはかけ離れていて。
 どこぞのお屋敷の『お使い』二人が勢いよく言い合いをしながら戻っていったと、その日グレッグミンスター町人一番の話題になってましたよと後にテッドから聞いたときは、思わず冷や汗を流した。
 とは言え、テッドのように見るものが見れば、遠慮のない仲の良い友人同士の、他愛ない毎度の応酬でしかなく、見目が良かったこともあり、専ら若い娘と奥様方の間でしばらく噂の的になったとか。







基本的にテッドサーチのサイトさんには足しげく通わせていただいてるんですが、うちのような所に繋いでくれる素敵人を初めて発見し、驚きを隠せませんでして。
ちょ、な、ギャーどんなお礼をすればいいんだしかし声をかける勇気はないそうだ御方の好きなもん詰め込んだ話だったら少しはお返しになるかもしれないうんそうだそうしようそれしかない!
っていう、間違ったお礼の結果。
しかも例によって一方的。その上きっとこんなん違う。
難しいな、アレンさんとグレンシールさん。
・・・・・とにかくありがとうございます!!!
都市伝説はフジツボのアレです。キモイよね!

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プロフィール
HN:
月島うらの
性別:
女性
自己紹介:
ただひたすらに、テッドへの愛を叫ぶ。
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