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2026.04.05 (Sun) Category : 

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30のお題・)7家

2010.10.18 (Mon) Category : 30のお題


気が付いたら三都まであと二週間くらいなんですね。
あれ? 原稿まだ終わる目処が全く立ってない、よ・・・!?
いやいやここ頑張らないと、次頑張るのいつになるか解んなくね!?(イベントないからな)

原稿はほぼ毎日常に描いているんですけど、集中力が続かないというか画力が続かないというか、とにかく描けても一日に一ページとか、超スローペース。(苦笑)
一日一コマとかもざらだからな。
どんだけ遅いんだって話。
鉛筆コピー本なのにね!(わー)

とはいえ、会社では原稿するわけにいかないので、会社ではブログネタ、家では原稿と、今までと変わりません。
間に合うかな! あっは!



そんな訳で30のお題!
毎度のことながら、お題に沿っているのかは不明!




拍手[8回]







 カチャカチャグツグツトントンゴトゴト。
 真夜中でもない限り、朝一から夜最後まで常に稼動状態にある部屋だが、久しぶりに全力フル稼働しているのを見た。
 時間ともなれば忙しなくなるのは変わらずとも、ここまでではない。ということは。
「あ、テッド君いらっしゃい」
「お邪魔してます、グレミオさん。大変そうですね」
 元々使用人の少ないマクドール家の台所は、ほぼグレミオ一人で全てをこなす。必要最低限の人間しか入れていないため、各自が持ち場を終えてから他の手伝いに回るのだけれど、その頃には既にある程度のものが出来上がっているという状態だ。
「そうなんですよ、今日は」
 苦笑し言いながらも包丁の音が止むことはなく、時折火にかけてある鍋を確認し、かき混ぜる。
「手伝いますよ」
 はめている手袋を外し、包帯を巻いた指を差し出した。
 テッドがこうして手伝いを申し出るのは初めてではなく、その手際も知っているから、助かったとばかりにほっとした表情を見せる。
「ありがとうございます。今日はテオ様がお戻りになると知らせが入りまして」
「だろうなと思いました」
 瓶から水を汲んで手を洗うと、予想通りの出来事を教えてもらった。
 普段、良いものではあっても豪勢とは少し遠いマクドール家の食卓は、主であるテオの帰還日と出立前日の夕餉に限り、帝国五大将軍の名に違わぬものになる。
 どちらも無事の祈願をこめて。
 今回の遠征は約二ヶ月だった。そろそろだろうと話は出ていたが、つい先ほど達しが届いたとのことだ。
「パーンさんが同行されてますからね。久しぶりのお食事でしょうから、量も作らないと」
「ああ、そうですね」
 きっと第一声は腹減ったですよとか何とか、二人で笑って包丁を手にした。しゅるしゅると淀みなく剥かれる皮は、グレミオの方もテッドの方も薄く、途切れることなく続いていく。
 しばらく二人で材料の用意をしていたが、そこをテッドに任せ、グレミオがかまどの方へ移動したとき、「ここにいたのか」と、背後から溜息混じりの声が響いた。
 振り返ると、少し憮然としたマクドール家の坊ちゃんが、腰に腕を置いた格好で壁にもたれている。
「よぅ、ティル」
「遅いから、迎えに行こうと思ってたところだよ」
 いつまで経っても訪れない親友を探しに、少し出てくる旨をグレミオに伝えにきたら、出る理由がそこに居たというわけだ。
 肩も落ちるというものだろう。
「いつも出て来てくれるグレミオさんがいなかったからさ、何かあったのかと思ってこっち来てみたら、すげぇ忙しそうだったから、そのまま」
 ごめんなー、とあまり悪びれている様子のない謝罪だが、別に行き違ったわけでもなし、こんなものだろうと溜息をつくことで清算した。
「・・・父さんの準備?」
 知らせを開いたのはティル自身だし、グレミオだけではなく、他のハウスメイドや執事も慌しくしているから、わざわざ聞かなくても解ってはいるのだけれど。
 ぐるりと見渡した調理場の、それにしてもこの量は、と思ったところで気が付いた。
「パーンだね」
「パーンさんだよ」
「パーンさんです」
 満場一致か。

 そんな訳で、グレミオさん一人じゃ大変だから、と言うテッドは調理場の人となってしまい、予定していた街の散策と言う名のいつもの街中鬼かくれんぼは必然的に中止。他に特にすることもなかったティルは、そのまま部屋の端で二人の後姿を眺める。
「テッド君すみません、そこの塩取ってもらえますか?」
「はい、どうぞ。グレミオさん、そっちの鍋」
「え。あ、そうですね、そろそろでした」
 全く迷わずに動く手元と腕は、共に何がどこにあるのか解っている証拠で、材料や調理過程で作っている料理も理解し、必要なものを各自で揃えて行く作業も手慣れたものだ。
「・・・ねぇ、テッド」
「んー?」
 呼ばれても振り向くことはせず、籠から新たな食材を取りだしながら、間延びした返事だけを返すテッドに構わずティルは続ける。
「マクドールの家に入りなよ」
 このとき一瞬、間違いなく時間が止まった。
 ガシャンガシャンガシャンと、グレミオが持っていたはずの泡立て器が、泡と音を撒き散らしながら床を暴れ回り、凍った時間が元に戻る。時を動かしたアイテムの持ち主は、口を開けたり閉じたりを繰り返してはいるが言葉は出てこない。
 テッドの方はと言えば、さすがに手にしていたのが包丁だったせいか落とすこともなく、けれどやはりどことなく唖然とした表情を見せていた。
「・・・ぼ・・・」
「?」
 ようやく、這う這うの体と言った様子でグレミオが声を発し、ゆっくりとティルに近づいてグッと力を込め肩を握る。
「坊ちゃん、そういうのは第三者がいるところで言うものではないんですよ・・・! 場所とか雰囲気とかにも気を遣ってですね、台詞も」
「グレミオさんは気を遣いすぎですから!」
 絶対自分がするべきところじゃないと思ったが、しなくてはいけない本人が解っていないようだったので、仕方なくテッドが少し遠くからツッコミを入れた。
「お前も言い方考えろ。俺もマクドール邸で暮せって意味だろ? 女の子に言ったら大問題だぞ」
 間違いなく勘違いされる。
 と言うか、グレミオも成功の秘訣を教えるのではなく、止めるべきところだろう。相手が相手だけに。
 坊ちゃんの幸せは私の幸せですと豪語する彼には、例えそれが本当だとしても、坊ちゃんのためならと応援されてしまいそうで怖いけれども。
 はぁと酷いオチに盛大な溜息を隠さずに吐けば、ようやく流れを理解したティルが自身の発した言葉の意味を飲み込み、僅かに考えたような間の後に口を開いた。
「・・・いや、僕は別に構わないんだけど」
 テッドなら、マクドールの家に入ってもらっても。
「阿呆か。」
 むしろ入って欲しい、と言いかけて、キレもよく素気無いテッドの一言に一蹴される。
「マクドールの使用人邸を一つ預けてもらってるだけでも申し訳ないんだ。本邸で生活なんて出来るか」
「ほら、それだ」
 グレッグミンスターに来た当初は、テッドもマクドール邸で共に生活をしていたのだが、三カ月程度で邸宅を出るということになり、色々と話し合った結果の一人暮らしとなった。その頃にはマクドールの関係者と周囲にも知られてきたため、テッド自身で部屋を借りることも出来たのだけれど、そこはティルやらテオやらグレミオやらの猛襲にあって、今の状態に落ち着いたのだ。
 後ろ盾になってもらっているだけで十分なテッドとしては、これ以上世話になることは不本意だと言う。
 今の家ですら、使っている方が家も痛まないという、説得と言うか言い聞かせと言うか、とにかくどうにか宥めて押し込んだような形になったくらい、遠慮した。
 そんな経緯を思い返せば、随分と近くなったとはいえ、やはり踏み込ませない部分は頑として譲らない。
「父さんだって言ってたじゃないか。マクドールの家をテッドの家だと思ってもらって構わないって。僕だって同じだし、家族になってもらいたいと思ってる」
 なのに。
「テッドは未だに僕らをそう扱ってはくれない」
 出されたお茶やお菓子には手をつけても、夕食や宿泊を素直に受け入れることはほとんどない。来訪者、の枠を自ら外すことはなかった。
「・・・そうは言っても、無理に決まってるだろ」
 眉尻を下げて困ったように笑う。
 共に住むクレオやパーンはテオの部下、グレミオはティル付きの従者という肩書きと実績があるが、テッドには何もない。ただの子供だし、当のテオやティルもそんなものが必要だと思っていない。
 けれどやはり、そう言うわけにもいかないだろう。帝国五将軍、マクドール家だ。
「俺は別に何言われても構わないけど、俺のことでテオ様や、マクドールの家に何か言われるのは嫌だ」
 一体何の役に立つのかも解らず、過去も知れない戦災孤児が、保護と言う名目を過ぎても、部下や従者ではなく屋敷に居座っていたら。
 変に邪推する人間が出てきてもおかしくない。
「だからマクドールの家に入れって言ってるんだよ」
「えっとー、俺の言ってる意味解りませんかー?」
「解ってるから言ってるんじゃないか。気にしてることを本当にすれば気にならないだろ?」
「・・・そうか、解った。お前が解ってなかったのは事の重大さの方か」
 そしてどうやら、ある意味で勘違いは勘違いではなかったらしい。
 素性を全く気にせず簡単に、「うちに来ると良い」と言って連れてきた父親の血は、確実に継いでいるだろうこれは。
(・・・あー・・・)
 他の将軍を思い返してみてテッドは考える。
 ミルイヒ・オッペンハイマーを筆頭に、帝国五将軍は良くも悪くも凄い人だとは思っていたが。マクドール家も例に漏れずそうだったらしい。
 なおそれは、無事に帰還を果たし、テオを迎えた夕餉で立証された。

「父さん、テッドのことなんだけど」
 から始まったティルの言葉は、そのまま昼間の出来事を簡単に説明し、いつまで待っても家を家と思ってはくれないみたいだから、いっそもう家の人になってもらおうと思って、と繋がり。
「マクドールの家に迎えようと思うんだけど」
 だから、という接続詞の後にこう締めくくられた。
 息子の突拍子もない意見に、大黒柱の最高権力者であるテオはフムと一度頷いて、首を回しテッドに視線を向ける。
「なるほど。それはいい考えかもしれん。どうだね、テッド君」
 まるで明日の食事はこうしようと思うんだ、そうかそれは良い、君はどうだい、みたいな軽い言い方で矛先が向いたけれど。
「・・・・・・いえ、それはちょっと・・・遠慮させてください・・・」

 親子揃って懐がデカイのか大雑把なのか我が道なのか。
 絶対に、そんな軽い話じゃない。




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自己紹介:
ただひたすらに、テッドへの愛を叫ぶ。
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