300歳ブログ
ハッピーハロウィン
2010.10.28 (Thu) | Category : 幕間
本当毎日テッド尽くし様が更新されててウハウハですね!
日付が変わると同時に行ってるなんて、きっと私だけじゃないはず!
毎日夜中にギャアアアアって言ってるんだぜ!(迷惑です)
テッドバンザイ!
とりあえず幕間で。
ハロウィンリベンジ。(苦笑)
の、はず!!(えー)
コンコンコン、とノックをして返事を待つのは、軍主と軍師の執務室だ。戦争時ではない限り、昼間この部屋が無人になることはほとんどない。
堅苦しさと重苦しさが得意ではなくて、こういった上層部の部屋にはあまり近付きたくないのだが、いかんせん、義務やら責任やら義理やらといったものがあって、テッドは毎度面倒ながらも足を運ぶ。
入室を促す声が聞こえ、ドアノブに力をこめた。
「今月分の薬草類の入荷と使用状況、それから在庫購買申請とその他必要経費の申請と―――」
ノックと同時に声をかけた段階で、扉の向こうはテッドだと解っていると判断し、開けるなり来訪理由の報告を告げながら、持っていた書類から顔を上げ、視界に軍主ティルを見て。
一瞬言葉が止まった。
「あー・・・悪い、続けるな」
どこまで言ったっけと、わざとらしく見なくてもいい書類に目を落とし、視界に全くティルを映さないまま淡々と報告を繋げる。一通りを終え、軍師であるマッシュと二言三言交わし、持っていた書類を手渡した。
「以上、医務局からの報告は終わりです。詳細は書類を確認してもらえれば」
「ご苦労様でした。何かあったらお聞きしますので」
「解りました」
頷いて踵を返し、執務室の扉へと手をかける。ここでも視線を上げようとしないテッドに、大人しく報告を聞いていたティルが口を開く。
「ねぇテッド」
「なんだ」
「スルーされるのが一番きついんだけど」
「そこをあえてのスルーなんだから、解ってくれよ親友」
「そうは問屋がおろさないに決まってるじゃないか親友」
テッドがあえて見ないフリを決め込んでいるのは理由があった。
盛大な溜息をついて振り返り、再び入れた視界には。
「えーと。ドラキュラか?」
黒のスーツと赤の裏地がついた黒い襟立てマントで、至って普通に書き物作業をしているティルがいる。さすがに髪形まで変えてはいないが、テッドの言った、いわゆるソレの特徴的な格好だろう。
どうしてこうなったと聞きそうになって、そういえばここまで上がってくる途中の商業階層で、やけに鮮やかなオレンジ色が目立っていたなと思い出す。
「Trick or Treat だよ、テッド」
そうだ、ハロウィンだ。確か別の世界の遠い国の風習だったと思ったが、本に記されている以上、知っている人間がいてもおかしくはない。まさかこんなところでお目にかかれるとは思っていなかったけれども。
さすがに知ってるんだね、と感心したように言われて苦笑する。長い年月に溜め込んだ知識は、自分で思っていたよりも意外とバラエティに富んでいた。
「と言うわけで、悪戯させてもらうけど」
「え、何で」
「だってお菓子がないなら悪戯して良いんだろ? 僕ばかりこんな格好するのも何だし」
「じゃあ何か、他にも衣装の用意してんのかお前」
「僕じゃないよグレミオが」
・・・・・・・・・ああ、なるほど。
合点がいった。ここの所見かけるたびに、一心不乱に縫い物をしているなとは思っていたのだ。
ティルの衣服はグレミオやクレオが気にして、それなりのものを仕立てており、ちょっとしたものならば布地そのものを購入し、グレミオ自身が作っている。テッドもたまにその恩恵にあやかっていたのだが、よもや最近の作成物がこれだったとは。
「衣装は僕と同じか、シーツお化けか」
「残念だったな」
仲間が増えるのが嬉しいのか、ウキウキと他の衣装を思い出しながら言うティルにニヤリと笑って見せる。
「ほら」
スタスタと近寄って、左手を広げればコロコロと数種類の小さな飴が落ちてきた。これでお菓子はクリアだ。
「・・・なんで持ってるんだ」
「医務室は子供も来るからなー。黙らせとくのに必需品」
納得したように大きく息を吐き出して、仕方なくティルは背もたれにゆっくりと体重をかける。くるりと瞳の先を一度頭上へ上げてから、再度口を開いた。
「まぁ僕はソレでクリアしたとしても、きっと次はどうやっても無理だと思うよ」
例えまだお菓子を持っていたとしてもね。
「え?」
にっこりという擬音語が聞こえてきそうなほど見事な笑みの直後、コンコンコン、と室内にノックの音が響く。どうぞ、と簡単にティルが返事をすると、開けたと同時に聞きなれた声が降ってきた。
「坊ちゃん、大体の子には配ってきましたけど、肝心のテッド君がー・・・」
そこまで言って先客に気付く。ぱちりと大きく瞬きをしてから、びしっと指をさし、「テッド君!」と叫んでくれた。
「探しましたよー、行き違っちゃったんですかね。はいこれ」
ほかを挟む余地もなく、問答無用で手渡された包み。正直、嫌な予感しかしない。
「解る気はするんですけど・・・なんですか、これ・・・」
「坊ちゃんをご覧になったでしょう? 今日はハロウィンと言う日だそうで、仮装をするんです!」
さっきのティルに負けず劣らずの良い笑顔で言ったグレミオの台詞は、予感に違わぬもので。テッドもとりあえず笑みを作っては見せるが、やや引き釣り気味である。
これは確かに、どんな珍しいお菓子を持っていたとしても回避できそうにない。
「この一ヶ月、皆さんの衣装を作るのに必死でしたから。今日は賑やかですよ」
「皆さんって」
「ええ、坊ちゃんやテッド君だけじゃありません。18歳以下の子達の分全部です」
それは賑やかにもなるだろう。どおりで商業階層あげてのハロウィン色になっていたはずだ。
「僕もテッドが来たら休憩を取って行くつもりだったんだ。折角だし」
「・・・ああ、だから着たままいたのか・・・」
と言うわけだから諦めて早く着替えろ、と軍主の顔で言われてしまい、ゆっくりと視線を手元の荷物へ移した。おかしな衣装じゃなければいいのだけれど。
「坊ちゃんのドラキュラ伯爵も自信作ですけど、テッド君のも自信作ですよ」
そもそもドラキュラと言うか吸血鬼に良い思い出が全くといってないテッドにとって、自信作ですと言われてもああそうですかなのだが、言うとおり出来は良い。それに変に凝り性な気のあるグレミオだ、同じキャラクターではないだろう。
ハロウィンって他に何があったっけ、と思いながら包みを開く。
「ちゃんとテッド君の髪の色に似たので作りましたから!」
耳!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・耳?」
え、何それ、と不安になったところで、ずるりと出てきたのは追い討ちのように。
「ちゃんと肉球手袋もあります!」
やはりテッドの髪の色に似たそれだった。
「・・・・・・えっと」
「狼男です!」
質感やら出来やらは間違いなく良い。色もほとんど変わりない。グレミオが絶賛する理由も解る。解るけれども。
「俺、これ、ただの耳キャラになっちゃいませんかね・・・?」
肉球手袋は何も掴めないどころか、多分えれべーたのボタンを押すことすら不自由しそうだからはめられない。そうすると耳パーツしかないこれでは、ただのネコミミモードになりかねない。
「大丈夫です、牙と尻尾もあります」
何が。何処が。
微妙な空気を感じ取ったグレミオが、うーんと唸り、「じゃあ他のにしますか?」と助け舟を出してきた。何があるんですかと尋ねると、一つ一つ確かめるように指を折る。
「そうですね、魔女と妖精と黒猫、あとは」
「狼男で良いです」
どうも最後のようだったから、残りが多いとは思っていなかったが、それにしたって女の子用しかないってどういうことだ。グレミオはテッド用にと狼男を作っていたようだったから、他を考えていなかったのもあるのだろうけど。
「一応たてがみも用意しました」
そうですか、それは良かったと本当に嬉しそうに言われ、追加のパーツを腕に乗せられた。本当に無駄に出来が良い。
「じゃあ着替えてきて、テッド。早く行こう」
「・・・おう」
自分のときの混乱は棚に上げ、ティルは実に楽しそうに言ってのける。自分とは関係がなくなれば、そういうものだ。僅かに睨むようにするテッドを、何処吹く風で見つめ返した。
商業階層では、通りがけに見たとおりハロウィン一色になっており、どこから見つけてきたのか、各店舗もこぞってジャック・オー・ランタンを飾りつけている。
グレミオは本当に全員分の衣装を作ったようで、メグやビッキー、テンプルトン、シルビナやクロミミまでもが、ハロウィンに扮していた。
「お、ようやくお着きかお二人さん」
ティルにとっては初めて見る光景に、目を大きくさせて眺めていると、後方から聞き知った声がする。
「テッドがごねてね。遅くなったんだよ」
「シーナ・・・は、フランケンか」
「デコを見て言うな。」
本人曰くチャームポイントのやや広い額は、納得のキャラ選択である。
首と額にどうやってなのかは解らないがネジをつけ、律儀にも手術跡のようなものも書いていた。聞けば、衣装他パーツを用意したのはやはりグレミオだそうだが、嬉々として施したのはアイリーンらしい。ノリの良い人だ。
「ティルは何かやたら似合うな、吸血鬼。テッドは耳それどうなってんの? 地毛?」
「や、グレミオさん渾身の自信作。どうやってくっついてんのかは解んね」
「見てたんだけど僕も解らなかった」
アイリーンなりグレミオなり、大人は不思議技術を持っているという結論に至り、様変わりした商業階層を見て回る。三百歳オーバーの誰よりも大人がいるのだが、それを知っているごく僅かはおろか、本人すら忘れていそうである。
子供のみならず大人までもがハロウィンを意識した格好やモチーフを身につけており、軽く祭りといっても良いくらいの賑やかさだ。一体誰が始めたのかは解らないが、こんな日も良いだろう。
何よりもハロウィンは本来、死者の霊が訪れ、精霊や魔女が姿を現すと言う日だ。ある種の鎮魂祭とも言える。
戦争という、死とは切っても切れないものの中心にいるのだから、むしろ必要としても良い。
「グレミオから聞いたときは、一体どんなものかと思ってたけど」
面白いだろ、と言うテッドに笑って頷く。
「うん。いなくなってしまった皆も、仮装して出て来てくれているかもしれないしね」
「楽しませてやんねーとな」
見合わせて互いに表情を綻ばせた。数歩先で女の子に声をかけながら歩くシーナに、二人で体当たりを兼ねて両脇から肩に腕を回す。僅かにたたらを踏んで立ち止まり、シーナは視線だけでなに、と言って。
「行け、シーナ。目一杯遊ぶぞ!」
「僕が許す。今日は一日お祭りだ!」
「ええぇぇえええ、何だよ、いきなりどしたの!?」
無茶ぶりとかとばっちりとかごめんなんだけど!
商業階層は生活階層だ。食事も買い物も遊びも、ほとんどがここに揃っている。
いずれこの騒ぎに大人たちも混じり、ティルの言うとおり、お祭り騒ぎになるだろう。軍主の許しも出たのだから尚更だ。
夜は篝火を焚いて盛大に。
天の星に負けないくらいの地上の灯火として。
鎮魂と祈願と感謝を込め。
そして、これからを生き抜くための。
誓いの如く。
遊ぶぞと息巻き、あれそういえばと思って探してみたら、本当何とかしてなんで僕までとぶちぶち散々文句を言っていたけれども、ちゃんとしっかり断りきれなかった魔女帽子と襟立てマント、それにかぼちゃのランタンを持ったルックが見つかり、やはりさすがのキャラ選択と、オカンモード発動中グレミオの回避不可能スキルに爆笑した。
ルックも衣装ちゃんと全身用意したんですが、超拒否して帽子とマントだけならという妥協。身に付けた後、ハイってランタン渡された。(笑)
4主も出そうとしたら大変自由に動き回ってくれて、収拾つかなくなったので自重。
