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30のお題・)8弓矢

2011.11.28 (Mon) Category : 30のお題


そろそろテッド生存パラレルの原稿描くの再開しようかなと。
震災後のブログ再開のとき、これからは時間軸関係なく好きなとこ書き散らすって言っときながら、結局自分の中で締まってないから2時代の話も書けないし。
生存パラレルが中途半端だから、生き返りパラレルに手ぇ広げるのアレだなって、とりあえずひたすらお題更新だし。(苦笑)
まぁこれはこれで書きたいとこ書いてるから良いんだけど。
その上、大まかな流れは、既に幕間のトップでばらしてるけど!(笑)


何はともあれお題! 多分丁度半分の15個目!
折り返しだぜ! コンプしてやんよ!
特におかしな設定ではない、はず・・・ですが、基本的にパラレル脳というかテッド主義脳なので、そこんとこご理解ください。
でもここに来てくださってる時点で大丈夫だって信じてる!(笑)
ちょっと長いですが、顔文字君からどうぞー!



拍手[13回]







 空気が裂かれた鋭い音が響いた直後、ドッという鈍い音と共にキィと甲高い音が耳に届く。豆粒程度のサイズで見えるその光景に、けれど確実に仕留めたと解って感嘆の口笛を吹いた。
「へぇ・・・仰られるだけのことはありますね」
 遠く先を眺め見るように額に手を当てたアレンが、頷きながらそう言って振り返る。
 満足そうに口元に笑みを浮かべるテオと、その隣で僅かに瞳を大きくさせて驚いた様子のグレンシール、そして、矢を放った本人であるテッドが苦笑して立っていた。
「だろう? 私の目は間違っていなかったな」
 拾って正解だったと繋げた台詞に、もうちょっと言葉考えましょうテオ様と雷撃将に即座にツッコミを入れられていて、テッドは思わず笑う。
「でも拾ってもらったのは事実ですし、テオ様の目に適ってるなら俺はそれで」
 まぁ、こんなことになるとは思ってなかったですけど。
 何の話からだったのかはもう覚えてもいないが、自信満々に弓の腕前は凄いと、父親とその腹心の部下二人に息巻いて話していたのが数週間前。お前、自分のことじゃないのに何でそんな誇らしげに話してんのと、呆れながらもちょっと嬉しかったから、それは記憶している。
 ならばそのうち狩りを兼ねて野駆けにでも行くかと続いたのも、頭に残っている。
 ただ、それにどう答えたかは定かじゃない。いわゆる社交辞令や会話の流れだと思ったから、適当に相槌を打って終わった、気がする。
 が、遠征から帰還して数日間の休暇とともにマクドール邸へ戻ってきたテオは、丁度遊びに来ていたテッドにこう言った。
 明日の午後に狩りに行こうと。ご丁寧にも、アレンとグレンシールの予定まで押さえて。
 平日なので士官学校があるから行けないと、物凄く残念そうにするティルを余所目に、テッドは笑顔のままで固まった。
 あれよあれよと話が進み、翌日、本当かよと思いながらも午前中で仕事を切り上げマクドール邸に行ってみれば、見慣れた馬が数頭繋いであって。
 あ、マジだこれと諦めた。
「私たちも一応弓術は習いますし、必要とあれば実践でも使用しますが、基本は剣ですからね」
「弓兵隊のものでも、ここまでの精度があるかどうか」
 そもそも大勢と相対する帝国での弓兵の役割は、足を止めることや戦力を削ぐことであって、狩りのように一撃必中とは違う。もちろん威力として大きければそれに越したことはないが、そこまでの緻密さは問われない。
 力の強い術師は兵団を作れるほど多くない、紋章砲も既に歴史上の産物、銃も簡単に導入できるわけではないという現状、白兵戦が主な戦闘形態であれば、やはり力を入れるのは騎兵なのだ。
「それだけの腕があるなら、弓兵隊に志願すればすぐにでも入隊できるんじゃないのか?」
「あー・・・や、俺は」
「なんなら推薦するぞ。面倒な手続ならグレンシールがしてくれる」
「いやちょっと待て。」
 入隊の際に書類の審査と実技のテストがあるが、地位も名声もある将二人からのお薦めであれば、例え腕が多少伴わなくともすんなり入隊の許可が下りるだろう。そもそもマクドールの庇護に入っている以上、それだけで充分足りている。
「確かに良い腕だ、私も書類を作るのはやぶさかではないが、お前に言われると腹が立つ」
「オイ。」
 オフィスワークより現場仕事と、書類処理を後回しにする傾向が強いアレンのせいで、グレンシールに回ってくる書類の量は五割り増しだ。にもかかわらず、更に増やし、しかも丸投げ。さすがに青筋も浮く。
「はっはっは。お前たちの言い分も尤もだがな、本人にその気はないのだそうだ」
 そのまま、大体お前はとかそれを言うならお前もとか、まぁいつも通り軽い言い合いに発展したが、楽しそうにテオが笑い出し、ぽんとテッドの肩に手を置いて口を挟んだ。
「先日もその件で息子とやり合ったようでな。大乱闘になったと聞いている」
 台詞の後半で眼下のテッドを見やり、確認を取るような視線を向けてきたから、眉尻を下げつつ笑うことで肯定する。グレミオの喧嘩両成敗という制裁が下され終了になったのは、比較的最近の話だ。
「そうなのか。勿体無い」
「ああ、惜しいな。その腕なら最年少で隊長昇格もありえるだろうに」
 掴みかかる寸前の体勢から、え、という表情で振り返った二人は、一気に熱が冷めたのか言葉通りに残念そうな顔を見せて首を振る。
「まさか。それは無理ですよ」
 謙遜と語られない事実を元に否定をすれば、テオは困ったように、グレンシールは肩を窄めて、アレンは頭をかいて苦笑した。
 赤月帝国は階級制度が生きている。テッドのように身分を持たない、家名もない、流れ着いただけの孤児では、いくら帝国五将軍の後ろ添えがあっても、昇れる階段はそう高くない。
「それにしても見ない形の弓だな。随分使い込んであるようだし・・・もらい物か?」
 聡い子供の真っ当な言葉を耳の痛い思いで振り切って、少しわざとらしくもあったけれど、アレンが話を切り替えた。
 いつの間にか弦を外して、背負った矢筒に無造作に突っ込んであるテッドの弓は、弓兵隊が使用しているものとは違っている。人それぞれに好みはあるだろうが、その形は少し珍しい。
「そうですね・・・もう随分前のなんで、骨董屋に並んでてもおかしくないんじゃないですかね」
 素材が素材だし、武器としてのポテンシャルも高いから、使いこなすにはコツと手入れが欠かせないけれど、古くとも一級品の枠に入るだろう。
 歴史的付加価値も考えれば、値打ちものかもしれない。それでも武器は武器だからと、テッドは武器としての扱い以上をしなかった。
 僕の代わりにテッド君の助けになれるものだからと、元の持ち主が言い残し受け取った経緯もある。
「俺用に作られた弓じゃなかったから少しでかくて、合わせるのに削ったりしたから余計かも」
「本人に合わせたサイズで作成されたのか。仕事に熱心な鍛冶師だったんだな」
「造ったのも鍛えたのも、アドリアンヌって言う女でしたよ」
「女性がこれを!?」
 改めて取り出し、弦をしっかりと張って弓の形にしてから手渡した。
 そういえば元の持ち主は身長があったからその分弓も長くて、譲り受けたあと鍛え直してもらったことを思い出し告げる。幸いなことにまだ本人が存命で、いい仕事をさせてもらったと逆に礼を言われてしまった。
「女性の鍛冶屋とは珍しいが・・・その腕も相当なのだろうな、見事にバランスが均等に保たれている」
 アレンに手渡し、製作者を話せば驚いたグレンシールが次に手に取り、検分するようにしげしげ見つめて評価する。
 ごく稀に打撃武器として使用するも、傷はついても壊れはしないという頑丈さで、製作者の腕か元の持ち主のまじないでも掛かっているのか、予備として手に入れた弓の方が先に使えなくなり、武器としても同等はあれど以上のものには巡り合えていないから、百五十年程度経った今でも現役だ。恐れ入る。
「射ってみます?」
 しきりに感心するグレンシールに向かって言うと、何度かぱちぱち瞬きをしてから、考えるように頭を捻った。
「・・・・・アレン」
「無理だ。」
 ついと視線を動かして隣の片割れの名を呼ぶが、取り付く島もなくブンブン勢いまかせに首を振り、差し止めるように掌を向けられる。
 それでもほらと、弓を目の前に突き出すようにされれば、眉間に皺を入れて半目になりながら、渋々とゆっくり手に取った。
 何の気なしに出た台詞だったから、ここまで困惑されるとテッドとしても訳が解らなくて混乱する。
「えーっと・・・?」
 疑問符を飛ばしたところで、すぐ後ろにいたテオが豪快に笑って。
「あっはっは、すまんなテッド君。武器は一通りと銘打ってはいるが、各隊に配属されるとそればかりで、他のものが疎かになってしまっている実情があってな」
 まぁ趣味で他の武器も鍛錬している者はいるがと続けると、渡された弓をぎこちなく構えるアレンが繋げた。
「・・・たしかに弓術は一応習うし訓練もするが、俺たちくらいになるとほとんど使わない。弓を持つのはそうだな、一年以上ぶりじゃないかっ」
 言葉の最後で息を吐き出すのと同時に、張った矢を放つ。
 ヒュンと勢いのいい音が耳を震わせるけれど。
「どこを狙ったのか聞いても良いか。」
「この流れで聞くとはいい性格をしているな。」
 飛んでいった方向には、特別目立った的のようなものはなく。しいて言うなら、一本だけ少し外れたところに細い木が立っているくらいか。
「なるほど。見事な腕前だな、アレン」
「テオ様まで!?」
 追い討ちすぎる。
 散々な言い草だったグレンシールも、どうにか的と思わしき木の根本に矢を打ち込んだが、まぁ似たり寄ったりだろう。戦場では人がひしめき合っている上に動きも激しいから、この程度あまり問題じゃないと堂々と言ってのけたアレンは、上司と同僚からダブルツッコミを受けていた。
 戦場や王宮といった、公式の場では絶対に見られない光景だ。
「じゃあテオ様! 次はテオ様の番ですよ!」
 ツッコミが痛かったのか、仕打ちに対しての怒りか、僅かに瞳を潤ませたアレンがずいっと弓矢をテオに差し出して言う。一瞬驚いた様子を見せたテオも、すぐに口元に笑みを作った。
「ほう・・・弓か。私も久しいが、さて、どうかな」
 楽しそうに呟いた表情はその言葉通りで、テオの隣でアレンとグレンシールのやり取りを見守っていたテッドは、纏う雰囲気が変わったことに気付く。二人も同じで、だがテッドと違って、引きつったような笑顔になっていて。
 いうなれば、しまったとか、まずいとか、そんな。
 固まったアレンから弓矢を受け取り、そのままギッといい引きで構えたテオが、力を溜めるように数瞬待ってから指を放す。腕力の差か、四人の中で一番鋭い音を立て、あっという間に飛んでいった。
 どこかへ。
「・・・・・・・・・あ、れ?」
 狙いは何とか、目指したのはどれとか、サッパリ解らない。
「テッド君、もう二、三本矢をもらえるかね?」
「え。あ、はい」
 真っ直ぐ前を見て笑みを作ったまま言うものだから、解らないまでも言われた通りに矢筒から三本取り出し手渡した。同じように構え、同じように飛ばす。やはり同じように、どこかへ。
「ふむ、確かにいい弓だな」
 癖はあるがと付け足して、最後にぐるりと回しもう一度全体を眺めると、「手入れも行き届いているし、何よりも実践を目的に作られた弓だ。君に使われるのが最良だろう」と、多分褒め言葉と捉えてもいい台詞と共に、さっきとは違っていつもの柔和な笑みを向けられる。
「・・・ありがとうございます」
 前から思っていたけれど、テオに結構高い評価をもらえているらしいと実感してくすぐったい。
「しかし矢の無駄射ちをしてしまったな。」
 その反応に満足そうに頷くと、少し遠くのほうを見る動作をしながら独り言のように呟いた。なんと言うか、実にわざとらしく。テッドが意味をはかりあぐねていれば、ザッと素早くアレンとグレンシールがテオの正面に回って頭を下げた。
「お任せください、ただいま探して参ります!」
「すぐに戻りますので、この場にて少々お待ちください!」
 言い終わるや否や後方に繋いである馬に走り寄り、軽い身のこなしで乗馬すると手綱を捌いて駆けていく。あっという間のやりとりに、テッドは背中を見送ってから焦ったようにテオを振り仰いだ。
「いや、あの、別にあのくらい・・・!」
 そもそも矢は消耗品だ。過去には物資が足りなくて使い回したこともあったけれど、今はそこまで切羽詰った状況ではない。道具屋に行けば買うことも出来るし、材料を集めれば作ることも出来る。
 大の大人二人、しかも帝国の名のある将を使いっ走りにするほど価値のあるものでもない。
「テッド君、もう一本矢をもらえるかね?」
 全く意に沿わない返答に戸惑うも、表情も雰囲気も変わらず楽しそうなものだったから、矢筒から一本だけ取り出し手渡した。
 さっきと同じように構え、同じように射る。ただし、今度は。
「どうも最近なまっているようだからな、このくらい構わんよ」
 ガッと繊維を削る音を響かせて、的にしていた細い木の中心に撃ち込んだ。
「・・・・・さっきの、わざとですか。」
「いいや? ただ単に手元が狂ったのだよ。」
 そうか、あのとき二人が微妙な顔をしていたのは、これを見越してのことか。
 どうやらさほど珍しくもない仕置きらしく、する方もされる方も慣れた様子だったのが笑いを誘う。
 帝国騎士というよりは体育会系のノリだが、テオの部隊は生粋の帝国貴族というものが少ない、いわゆる実力主義の成り上りばかりだ。これも日常なのだろう。
 笑いながら弓を返され、少しだけ考えてから、テッドも一本だけ矢を引き出して構え、放つ。
「・・・やはり惜しいな・・貴族騎士のあり方に抵抗があるのなら、私の隊の弓兵ならどうだ?」
 軌道は真っ直ぐ、まるで引き寄せられているかのように木の中心へ。中心に打ち込まれた矢へ。
 寸分違わず同じ場所へ射たれたそれは、テオが放ったものを裂き、代わりにその場所へ突き刺さる。
 テッドが狙った的は矢そのもの。それがどれほど高度な技か。最初の狩りの腕を見ても、ティルやアレン、グレンシールの言うとおり、勿体無いという以外の言葉が見つからない。
「俺のはまぐれですよ」
 テオ様の手元が狂ったのと同じです。
 けれどニカリといつものように笑い、たまたまだと言外に込め、口には乗せずやんわりと拒絶した。理由は解らないが、自分の前でのみ見せたということは、帝国云々ではなく、ただ単にこの力を使いたくないだけなのだとテオは判断する。
「・・・そうか、残念だ。気が変わったらいつでも言いなさい」
 それでも惜しいという思いは消えず、そう声をかければ、テッドは簡単に笑って慣れたように弦を外し、背負う矢筒に弓を収めた。
「さっき仕留めたの、取ってきます。グレミオさんにシチューにしてもらえたら最高ですねー」
 くるりと振り仰ぎ、早く処理しないと抜けなくなるなと呟きながら、小走りに離れていく。少し距離があるが、戻りは矢を探しに行った二人と合流すればいいだろう。
 戦渦の中、炎を背後に悠然と見返す琥珀の強さに惹かれて声をかけ、一悶着も二悶着も経ての今だが、間違えたと思ったことは一度もない。ティルを筆頭に、家の者にもいい影響が出ている。
「このまま、息子の隣にいてもらいたいものだが・・・」
 棍を武器とするティルと、弓を武器とするテッドであれば、遠近攻守のバランスも良い。
 けれども。
「・・・そう簡単には行かないのだろうな・・・」
 あの弓は。
 弓の腕は。
 ただの子供が持つには不釣合いすぎて。
 ここまでと、これ以上はと線を引いた、そのやり取りも。
「前途多難だな、息子よ」
 家を出る寸前まで、実は今日休みなんだと解りやすすぎる嘘で、どうにか同行の許可をもぎ取ろうとしていたティルを思い出し、遠くなった小さな背中を視界に入れる。
 最大限にまで鍛え上げられた、戦うための弓。
 それが意味するもの。
「まだまだ、か」
 随分歩み寄ってくれたとは言え、やはり全てを見せてくれるには至らないらしい。
 隣に立つための力か、経験か、覚悟か。
 何を求め、何に脅え、何を願うのか。詳しい境遇も語らない、世間慣れしすぎた子供にとって、何が必要なのかは解らないけれど。
 こちらのカードはほぼオープンにしている。
 飛び込んでくるか来ないか、あとは本人。
 とりあえず事態を出来る限り小さく収めるため、テオが何かを言う前に行動した部下二人には、次は馬を禁止にして徒歩にしようと心に決めた。










テッドの弓の腕は、ドリフターズの与一レベルだと思っている。
・・・アレ? オチ・・・?

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プロフィール
HN:
月島うらの
性別:
女性
自己紹介:
ただひたすらに、テッドへの愛を叫ぶ。
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