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2026.04.05 (Sun) Category : 

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酷いパラレル。

2010.09.22 (Wed) Category : 小話


どうしても普通の話が作れないと痛感しました。

だってテッドがいないと話が進まないんだもの!
仕方ないよ、テッドのブログだもの!


でもこれはない。


何を間違えたのか花街設定で、特に深くも考えてないので投げっぱなし。
ややテッド受な雰囲気が他のよりは強いですが、まったくもって色っぽくはありません。

大丈夫な方は顔文字君からどぞ。



【固定タグ】
どうしてこうなった  どうしてもこうなった




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香る女の白粉の匂い。
喜色の強い男女の笑い声。
伸ばされるたおやかな指。
煙管から立ち上る独特の彩。

ここは花街。
一夜の夢を買う歓楽街。



「本当毎回毎回ご苦労なことだね」
「僕としては毎日でも来たいんだけど」
「バカが金を持つとロクなことないね」
「そう? これ以上ないくらい、有意義に使ってると思っているよ」
 揚屋の一室で向かい合うように座る二つの影は、上座に豪華な着物を幾重もまとう松の位、下座に着流しの若い男。
 通常、上流である松の位を呼びつけるには仰々しいほどの座敷を催す必要があるが、この松の位とは旧知であったことと、そもそもとして大座敷を好まないということがあり、最上位と言うランクにもかかわらず、極少人数での座敷が常だった。
 松の位の方も、見世の面目やら何やらの都合上、禿や遣り手を引き連れての道中はこなすが、茶屋や揚屋に到着すれば、役目はそこまでだろと言わんばかりに追い返す。
 故にこの座敷では他の場合とは違って、気負わず気安いやり取りが行われていた。
「無駄に使ってるとしか思えないけど」
 ほかの座敷より人数も賑やかさもないとは言え、呼び出している相手が相手だ。その時点でかなりの額を要する。
 それに花代は充分に出しているから、膳も酒も高級品。
「アレで意外と忙しいみたいでね。それなりの座敷じゃないと呼べないし。甲斐性なしだとも思われたくないし」
「だったら僕じゃなくても良いだろ」
 男は、『この座敷』が用意できればいいのだと言う。
 ならば上座の役割は、何も自分である必要はないと、面倒そうな声と表情も隠さずに言ってやれば、くいと慣れた手つきで猪口を傾けた。
「他に興味ないから。気があると思われても困るだろ。それに」
 そこで一呼吸を置く。
 コトリと膳と器のぶつかる音がやけに響いたように感じた。
「君にとっても、良いと思ってるんだけど」
 松の位ともなれば客を選んで宴に出る。もちろん、断ることも可能。だからこその上座だ。
 それがいくら旧知とは言え、いや、旧知だからこそ性格を解っていてだが、気乗りのしない座敷に出るなど、例え見世の意向云々がどうであろうとも、絶対にない。
 そうだろ? とでも言うようにニッコリ笑うと、思いっきり渋い顔で、
「・・・勝手に決めつけないでくれる」
 と言って来た。

「ご指名の太夫衆方、ご到着にございます」
「ありがとう、入ってもらって」
 そんなやり取りを片手で足りる時間すごした後、障子の向こうから揚屋の使用人の声がかかる。失礼致します、と言われて続けられた台詞に、笑みを零して答えた。
「毎度どうもー」
「あれ、悪いな、待たせたか?」
 音もなく開かれた障子の向こうで、折り目正しく挨拶してから入室した二人は、それまでの態度とは打って変わって気軽な口調で話しかける。
 それもそのはずで、この座敷では定番のメンバーだ。変動があったとしても、せいぜい一人二人。
 もちろん別の大座敷で顔ぶれが揃うこともあるが、個人で開く座敷で呼び出すのは三人だけ。
「そうでもないよ、大丈夫。どうせシーナが目移りしてるんだろうと思ってた」
「声かけられりゃ、ホイホイついていくからな」
「え、ちょ、人聞き悪いな! 俺、軽いみたいじゃん! フェミニストなだけだ!」
「言いようだよね」
 こちらも旧知。

 太夫衆という名目上、望まれれば芸も技も見せるが、そういうことで呼んだのではないと言われれば、ただ話し相手になるだけだ。松の位も同様に。
 廓ではまずないことなのだが、ここではそれも常で。
 まったりとした時間が流れている。
「あ」
 ボーン、と、廓内での時間を知らせる鐘の音が耳に届き、太夫衆の一人がくるりと首を巡らせた。
「悪い、急な座敷が入って、長くいらんないんだ」
「え? でも今日から三日間は僕が押さえてあるよね?」
 その辺に散らばっていた、商売道具であろう楽器やら何やらを手際よく片付け始めた姿に、首を傾げて尋ねる。居続けは出来ない決まりだからすべての時間ではないが、夜見世の一般的な時間である、夕刻からを差し紙してあったはずだ。
「明日と明後日は来るけど、今日は断りきれなかったんだよ」
 そうなんだけど、と前置きして申し訳なさそうに眉を下げた。
「一ヶ月ぶりなんだけど」
「重々承知してる。余過剰金はあとでラズロが持ってくるから」
「お金を言ってるわけじゃない」
「それも知ってる」
 国の幹部候補兵街道を突っ走っているエリートは、充分な給料をもらっている。独り身なら尚更で、遠征報酬も入る立場であれば、額はそれこそ貯まる一方だ。
 そもそも生家が代々エリートで、元から余りあるほどのものを持っているのだから。
 本当ごめんな、と両手を合わせて謝られては強く出られない。
「・・・一人で行くの?」
 大きく溜息を吐き憮然とした顔は、納得はしないけど仕方ない、とありありと書いてあって苦笑した。
「いや、途中でジョウイと合流するし、向こうの座敷はもう始まってる」
 芸妓さんも女郎さんもたくさん呼んでるんだよ、と続ければ、だから俺は呼ばれなかったんだよな、ともう一人の太夫衆がポツリと遠い目で言うから、場は一気に爆笑に包まれた。
「そう言うわけで、シーナは置いてくから、好きにいじってやって」
「うん、そうする」
「え、マジで」
 ひとしきり笑ってから、風呂敷にすべてをしまいこんだ太夫衆が、指を揃えて最敬礼する。そのまま流れるように上等な作法で退室した。
「・・・いつもああしてれば、一流だって認めてやるのに」
「そんな他人行儀なの、僕は嫌だけどね」
 松の位が、出て行った姿をそう評価すれば男も一度頷いて、けれど肩を窄めてそう言う。
 外へ通じる障子を開けて眼下を眺めると、丁度揚屋からさっき退出した本人が出てきたところで、振り返り歩きながら店の誰かと話をしているようだった。
 ややしてから軽く片手を挙げて挨拶に変え、少し足早に去っていく。角を曲がって姿が見えなくなってから、障子を閉めて室内へ向き直った。
「で?」
 ニコリと良い笑顔の先は、残されたもう一人の太夫衆。接続詞の意味が解らない、と思いながら、負けじと笑顔を作る。引きつっているけれども。
「テッドを呼んだの、誰?」
 ああうん、予想通りの台詞来た。
「あー・・・あのな、ティルさん。解ってるだろうけど、廓内でのそういう詮索は」
「解ってるよもちろん。でも僕は粋とかしきたりとか、そんなのどうでも良い」
「良いわけないだろ、何言ってんの君」
 待って、と言わんばかりに頭を抱えて手のひらを見せるが、フンと鼻を鳴らしでもしそうな態度で一蹴した。見かねたのか呆れたのか、松の位が肘掛にもたれながら言えば、もっと言ってやってルック! と応援が入る。
 それでも態度を変えることなく、静かに言い放つ。
「僕は別に、ここに春を買いに来てるわけじゃない」
 欲しいのは春ではなく。
 春に住むもの。
「ここでしか会えないから来てるだけだ」
 だから買うのは時間。
 彼を拘束できる、時間。
 それだけ。
「なのに」
 それすらもならば。
「・・・あーもー、解ったよ。俺が言ったって絶対口外しないでくれよ」
 諦めた声色で溜息のオプションまでつけた太夫衆が、げんなりと言葉にしたことに松の位は驚く。
「ちょっと、いいの?」
「さすがに何かしでかしはしないでしょ。いいんじゃん?」
 言いながらチラリと見ると、何故か神妙な顔で頷いて見せた。
「まぁテッドに迷惑かけることだけはしないね」
「・・・だ、そうだし」
「・・・・・・・・・・」
 限定しているのが気になるが、要チェック、と言うだけだろう。事実、意外と忙しいと知っていたのだから、ある程度情報は掴んでいると考えるべきだ。それとの付け合わせかもしれない。
 どうにかなんだろと思いながら口を開く。
「狂皇子だよ」
 ふぅっと息を吐き出した太夫衆が出した通り名。聞き覚えがありすぎた。
「・・・ルカ・ブライト?」
「そうそう、それ」
「ああ、だからジョウイも同行ってこと」
 大座敷なのも理解した。いつも部下達が座敷を豪勢に開くのだ。
 狂皇子本人は、そういったことはどうでも良いという人間で、むしろ切り捨てる勢いなのだが、遊びたい部下達は、そこを馴染みの太夫衆で繋ぎとめておこうと言う思惑だろう。
 なんと言うか迷惑な話である。恐らく、狂皇子にとっても。
「へぇ・・・そう、『ルカ様』、か」
 しかし、ここでもやり合うとは。
 廓は治外法権で、どこにも所属しない、どこからも干渉されない独立した区画だが、一歩外に出ればそこは乱世だ。隣国との境で小競り合いが起きるなど、日常茶飯事。
「あ、ヤベ、俺なんかまずいこと言ったかな」
「知らないよ、僕」
 一瞬剣呑な光を瞳に見た気がして、二人同時に目をそらした。
 国を背負う立場上での対峙ではあったけれど。
 まさか、つい先日まで相対していた張本人だとは。
「・・・幾ら積んだんだろ」
「は?」
 考える動作を取ったまま、静かに呟いた一言に松の位が訝し気に眉を寄せる。
「向こうの方が積んだから行ったわけだろ?」
「・・・いや、そうとは・・・」
 断りきれなくて、と言った。
 金額はもちろん積まれたのだろうが、お人好しで妙に義理堅いから、頼み込まれて動けなくなったのだろう。見世の楼主や女将に頭を下げられれば、嫌とは言えない。
 その性格を知っていての、強攻策だったのかもしれないけれど。
 落としていく総額は、呼び出し人数が多い分、向こうの方が多いだろうから。
「積み返してやろうかな」
 何と伝えようかと言葉を選んでいたら、やけにはっきりとした声が聞こえてきた。それはふっと思いついたような口調だったのだけれど、音にしたら、名案だとばかりにストンと身に落ちてくる。
「そうだよ、積み返せばいいんじゃないか」
 ぐるりと勢いよく向いた顔は、相当本気の目をしていた。
「いやいやいやいや、待て、落ち着け。俺らは姐さん方とは違うから」
 格子女郎以上の人気ともなれば、指名がかち合って起こりえることだが、自分達は違う。太夫衆だ。奉公制度がないとは言い切れなくとも、本質が違う。そういうものではない。
「大体、今からまた差し紙回しても時間かかるし、明日からはこっち来っから」
 今すぐ動かせるのは幾らくらいかな、と空恐ろしい独り言を口に出してから虚空を見つめ、何かを計算しだした素振りを見せる男を宥めながら焦る。
 例え名を出さなくても、間違いなく誰に聞いたかなんてバレる・・・!
「・・・ルック! お前黙ってないでティル止めろって! このままじゃマジで金用意するぞ!?」
 花街のしがらみやら掟やら粋具合やらに、自身の保身を混ぜ込んで制止にかかるも、意に関せず頭の中をまとめることに忙しい男に困り果て、上座に悠然と座ったままの松の位に助けを求めた。
 矛先が向いたことに面倒そうな表情を見せ、ひらりと手を振る。
「僕は別に構わないもの。懐痛くなるわけじゃないし」
 肘掛に寄りかかり頬杖をついたまま、あっさりと言い放った台詞に口が塞がらない。
「まぁ、それに」
 ゆっくりと身体を起こして、未だ斜め上のどこかを見つめたままの男へ視線を投げる。それに気付き首ごと回して松の位を視界に入れれば、その地位に相応しいほどの艶やかさを湛えた笑みを浮かべた。
「僕としても、あいつがいた方が良いしね」
 思い返す、数刻前のやり取り。
 勝手にと言っていたけれど。
「・・・ふぅん?」
 あながち間違いでもなさそうだ。
 パチパチと、見えない火花が見えた気がして、残された一人はガックリと項垂れる。
(ッあーもー・・・・!)
 話題の豊富さも、独特の雰囲気も、誰にでも合わせられる柔軟さも、底抜けの笑顔も。
 惹かれるものが多いのは認めるけれども。
(お前本当、厄介なやつに好かれるよな・・・!)
 こうした水面下の出来事は、実は結構あったりするのだが、当の本人は全く気付くことはなく、巻き込まれるのは大抵いつものメンツなのだ。そのための指名じゃないか、と堂々と言われたことさえある。
 とは言えその空間はやはり居心地が良く、実入りも良いから喜んで受ける。
 時々こういったしっぺ返しを食らうとしても。
(・・・まぁでも)
 ニコニコと無駄な笑顔の応酬をしている二人を見て、溜息を吐いた。この調子なら、積み返しやら差し紙回しやら暴露やらの心配をしなくてよさそうだ。
(これも含めて、俺も楽しんでる辺り、どうしようもないね)
 結局そういうことだよな、と胡坐を組んでそれを眺める。
 いろんな意味で明日が楽しみだよなーと思いながら。












 廓内では男衆が自警団を組んでて、独自の警備体制をとっています。
 そのときのゴタゴタで、テッドとルカ様が出会いました。
 と言う設定。




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